Golf World(2013年2月18日号)texted by Bill Fields
薬物とアスリートは、リンクはできても、どのスポーツでどんな薬物が使用されているかを線引きすることなどできない。日々の暮らしや名声がかかっていると、物事において冷静さを取り戻すには時間がかかるものだ。好む、好まざるにかかわらず、迅速に解決されることなど稀なのである。
この事実は、「AT&Tぺブルビーチ・ナショナルプロアマ」でも実証された。PGAツアーのアンチ・ドーピング・ポリシーで禁止されている薬物が含まれた物質を使用していたことを認めたビジェイ・シンは、大会そのものでは注目されなかった(優勝したブラント・...
Golf World(2011年11月28日号)GW bunker texted by Bill Fields
ポーラ・クリーマーは、トーナメント最終日の日曜日、必ずと言っていいほどピンクのウエアに身を包む。今シーズン最終戦となった「CMEグループタイトルホルダーズ」でも、これまでと同じようにピンクが入るウエアを着用していたが、違うのは勝てないフラストレーションを溜め込んでいるということだった。
クリーマーは、結局通算7アンダー(281)というスコアで、サンドラ・ガルと2位タイに終わり、優勝したパク・ヒヨンとの2ストローク差を埋めることが出来なかった。通算9勝をマークしているクリーマーだが、...
Golf World(2011年11月28日号)texted by Bill Fields
「CMEグループ・タイトルホルダーズ」で決めた飛躍的な勝利で、パク・ヒヨンは自分とスポンサーからの期待に応えられなかった4年間に終止符を打った。
22歳の女王ヤニ・ツェンが再び優勝を飾ると多くの人が予想していた「CMEグループ・タイトルホルダーズ」は、一変して少し年上のプレーヤーに天啓をもたらした。わずか24歳のパク・ヒヨンは、故郷・韓国の友達に会えない寂しさを募らせていたが、スポンサーからブレイクしてくれという期待も感じていた。またLPGAツアーでの4年間、パクは優勝トロフィーを抱えて会場を去る術を見...
Golf World(2012年11月8日号) texted by Bill Fields
5打差リードで迎えた最終ホールのティグラウンド。トム・レーマン逆転されることなど気にも留めなかった。米国チャンピオンズツアーの今季最終戦「チャールズ・シュワッブ・カップ選手権」。彼は友人であり、師匠であり、そして膵臓がんの末期患者だったジム・フリックのことを気にしていた。レーマンは、82歳のフリックがカリフォルニア州カールスバッドの自宅でトーナメント中継を観ていてくれていると信じていたのだ。そうであると望んでいたのだ。
試合後のレーマンは「ドライバーを打つ時は、これが彼が見る最後のティショットになるかも...
Golf World(2012年12月4日号)texted by Bill Fields
「優勝を逃した試合ほど、孤独感を猛烈に感じる試合はない」―
(アーノルド・ホールテン、著書“ザ・ミステリー・オブ・ゴルフ=1908年発行”から引用)
2012年に開催されたトーナメントは、最終日に孤独感にさいなまれる選手たちが多くのシーンで主役になった。
ゴルフの世界では勝者よりも敗者の数のほうが圧倒的に多い。例えビッグネームであっても失望感を味わうのだ。その中でも、勝利を手中に収めかけたにも関わらず、最終日にスコアを落とし、目の前で優勝の瞬間を見せられた選手は、屈辱に突っ伏し、身動きが取れなくなってしま...