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【WORLD】ドーピング裁定 ツアーがV.シンに罰則を下すかは不明確

Golf World(2013年2月18日号)texted by Bill Fields

薬物とアスリートは、リンクはできても、どのスポーツでどんな薬物が使用されているかを線引きすることなどできない。日々の暮らしや名声がかかっていると、物事において冷静さを取り戻すには時間がかかるものだ。好む、好まざるにかかわらず、迅速に解決されることなど稀なのである。

この事実は、「AT&Tぺブルビーチ・ナショナルプロアマ」でも実証された。PGAツアーのアンチ・ドーピング・ポリシーで禁止されている薬物が含まれた物質を使用していたことを認めたビジェイ・シンは、大会そのものでは注目されなかった(優勝したブラント・スネデカーには17打差の284ストロークでフィニッシュ)が、彼は翌週の「ノーザントラストオープン」への出場も予定していた。

シンのAT&Tぺブルビーチ出場は、鹿の角スプレー使用告白を聞いた人たちを困惑させた。シンは、スプレーに禁止薬物となっているインシュリンのような成長ホルモン(IGF-1)が含まれていることを知らなかったと主張しており、問題を即時に棚上げにした格好となったからだ。

そしてシンは「鹿の角スプレーに禁止薬物が含まれていたのは本当にショッキングなことだし、自分自身をこの状況に置いていることに腹が立っている」と鹿の角スプレーをSWATS(スポーツ・ウィズ・アルターネイティブズ・トゥ・ステロイド、アラバマ・カンパニー)により販売されていた他の製品と使用したと2月4日のスポーツ・イラストレイテッド誌に話した後、文書でコメントした。

ツアーはこれを受け、2月22日に50歳となり、既に殿堂入りも果たしているシンのこの件を再調査。本人とコミッショナーのティム・フィンチェム氏がぺブルビーチで接触したが、ツアーは決定についてはコメントを避けた。

シンの長年の友人でもあるトム・パーニスJr.は、ツアー通算34勝のシンを「僕らはみんな過ちを犯す。これは大きな過ちではない」として擁護した。パーニスJr.はゴルフワールド誌に「シンは詳細に注意を払わなかったんだ。彼が気を配っているのは、練習とゴルフをするということだけだから」としている。

また、2年前にスプレーの使用を支持したマーク・カルカベッキアは、ツアーから、IGF-1が含まれていることから服用を禁止されているが、パーニスは「ビジェイとカルカベッキアのしたことに違いはない」と主張。カルカベッキアの場合は鹿の角スプレー使用が明るみになっても、出場停止処分を受けなかった。ツアーは、選手に対して同物質を服用しないことを注意しただけに止まっている。

ツアーのドーピング規定には明確な区別がない。指針にも「禁止物質が人体に服用されたときは、摂取したものが厳格な責任を負う。検査で検査サンプルが陽性となった場合は、その禁止物質が身体にどのように摂取されたかに関わらず、ドーピング違反となる」と書かれているだけだ。

今回のシンの一件は、検査で発覚したことではない。効力を発揮するIGF-1がスプレーに含まれていたかについての議論に関わらず、可能性がある処罰が改善されるかは未知なことだ。これまでツアーで運動能力向上薬使用により処罰を受けたのは、ダグ・バロンのみ。バロンは、治療適用外としてツアーに拒否されていた処方薬を服用したため、1年間の出場停止処分を受けた。

ツアーのシンに対する処罰には幅がある。1年間の出場停止と50万ドルの罰金処分から、“リハビリ”だけになる可能性もある。理由はシンが注目を浴びるプレーヤーだからだ。ともかく現時点で明らかなことは、多くの人が最終判断に非常に注目しているということだろう。

米国ゴルフダイジェスト社提携
Used by permission from the Golf DigestR and Golf WorldR. Copyrightc 2011 Golf Digest Publications. All rights reserved

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