タイガー「イライラした」/ザ・ツアー選手権
2002年 ザ・ツアー選手権
期間:10/31〜11/03 場所:イーストレイクGC(ジョージア州)
丸山、一時は首位に並ぶ好プレーで5位タイ! タイガー、ミケルソンはともに出遅れ気味。
気温が下がったイーストレイクGCは、先週末からの雨でフェウエイはぬかった状態。コースコンディションは最悪だが、リフト・クリーン&プレースのローカルルールが適用された影響もあり、トップのスコアは5アンダーとまずまずの伸びを見せた。
初日、首位タイでフィニッシュしたのはスティーブ・ローリーとビジェイ・シン。ローリーは先週のビュイックチャレンジで予選落ちし、この大会の出場資格である賞金ランク30位以内に残れるかどうかを心配していた選手だが、今日は6バーディ、1ボギーで65の好ラウンドだった。「今日のコースはタフだった。ほとんど毎ホール、フェアウエイをキープできたから、ボールをピックアップすることができたけど、ラフはかなり深いし、その下の泥はぐちゃぐちゃに湿っているから、ラフにつかまったらどうしようもないね」。シンは5バーディ、ノーボギーのラウンド。「フェアウエイをキープすることがキーになる。あと2日はリフト・クリーン&プレースになるだろうからね。シーズンを終える前に、もう1つ勝ちたい」と勝利への意欲を見せる。
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単独3位はチャールズ・ハウエル。丸山茂樹と同組で回ったハウエルは、前半1バーディにとどまったが、後半3バーディで一気に4アンダーまでスコアを伸ばした。「風も吹いていたし、気温も低かったので、前半は守りのプレーをして様子を見ていた」と語ったハウエル。前半の1アンダーは計算づくと言うあたり、大物ぶりを感じさせるコメントだ。
右肩と腰の故障が心配される丸山茂樹は、「朝から腰の具合がよかった」おかげで、昨日の練習ラウンドからは想像もできないほどの好プレーを展開した。珍しく長袖セーターという出で立ちで登場した丸山は、2番パー3で初バーディを奪うと、続く3番でもバーディ。9番パー5もバーディとして3アンダーで折り返し、11番パー3で再びバーディ。首位タイに躍り出て、リーダーボードの最上段を飾っていた。昨日はインパクト後にすぐ右手を離してしまっていたドライバーも、今日は7割ぐらいの力で振っており、アイアンショットも冴えていた。しかし、14番でティショットを右に曲げ、ボギー。15番パー5をバーディとして、すぐさま取り返したものの、17番、18番は連続ボギー。最終的には2アンダー68、5位タイで終了したが、出場そのものも危ぶまれた体調を考えれば上出来であった。
「1ヶ月半ぶりの試合なので、欲がない分、良かったのかもしれない。今日、初めて両手を離さずゴルフができた。それだけがうれしかったです。このコースのグリーンはオーガスタに似ていて、上りと下りの差が激しい。上りはものすごく遅いけど、下りはかなり速い。だから、パットには気をつかいます。でも、2週間前まではハーフ、いや4ホールも回れなかったんだし、打ってもシャンクだったり、すぐそのへんにしかボールが行ってくれない状態で、立ち直るのは大変だと思っていた。それを考えれば、今日の結果は大満足ですよ。ずっとトレーニングもゴルフもできず、食欲もなかったので、後半はさすがに疲れが出ました」。
7週間前に右肩を痛めた丸山は、その後、日本で治療を続け、今回はエステやガン治療にも使われている『高周波』という機械を持ってきたそうだ。日本からロスアンゼルスへは一般の飛行機の座席に機械を置き、ロスからアトランタへはプライベートジェットを借りて積んできたというその機械は、皮下10数センチの筋肉を温めるための特殊な医療器具ということで、今週も、この高周波による治療を朝晩15分ずつ続けているそうだ。
注目のタイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン組は、どちらも伸び悩みのゴルフとなった。先週から使い始めたニューパターでプレーしたミケルソンはイーブンパーで9位タイ。タイガーはトータル4バーディを奪ったものの、6番パー3でティショットを池に落とし、ダブルボギー。後半も10番、13番、18番でボギーと乱れ、1オーバー、15位タイ。しかし、フェアウエイがぬかって距離が伸びない状態は、飛ばし屋タイガーにとって有利なコンディションとも言える。丸山の言葉通り、グリーンがオーガスタに似ているとすれば、今週のイーストレイクは、今年のマスターズ時のオーガスタと似通っていることになる。その意味で、明日以降、タイガーチャージがかかるのではないだろうか。
レポート&写真:BEYONDSHIP