【特集】全英オープン2011
2011年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)
D.クラークが悲願のメジャー初制覇!池田勇太は38位タイ
イングランドのロイヤルセントジョージズGCで行われた今季の海外メジャー第3戦「全英オープン」最終日。5アンダーの単独首位でスタートしたダレン・クラーク(北アイルランド)が1イーグル、1バーディ、3ボギーの「70」で回り、通算5アンダーで2位に3打差をつけて逃げ切り、20度目の挑戦となった全英の舞台で、初のメジャー優勝を飾った。
通算2アンダーの2位タイにはフィル・ミケルソン、ダスティン・ジョンソンの米国勢。1アンダーの単独4位にトーマス・ビヨーン(デンマーク)。イーブンパーの5位タイにリッキー・ファウラー、アンソニー・キム、チャド・キャンベルが入った。
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今大会に出場した6人の日本勢でただ一人、決勝ラウンドに進出した池田勇太は5オーバーの33位タイからスタート。「75」とスコアを落とし、通算10オーバーの38位タイに終わった。
<天国の妻に捧げる「最初で最後の」メジャータイトル>
2位に3打差をつけて最終18番グリーンに上がってきたクラークは、黒いサンバイザーを手に地元英国の大ギャラリーの声援に応えた。「正直言って、本当に驚いている。全英オープンに勝つことは、誰にとっても同じように、私の子供の頃からの夢だった」。8月に43歳になる王者は感慨深げに空を見上げた。
2位に1打差をつけて臨んだ最終日。2番で残り122ヤードの第2打をピンそば1.5メートルにつけてバーディを先行。しかし4番でパーオンを逃し、ボギーとした。すると通算イーブンパーの7位タイからスタートしたミケルソンが猛追。通算5アンダーで並ばれた。
しかし7番(パー5)で2オンに成功しイーグルパットを沈めて再び単独首位に浮上。その後、ミケルソンに1打差、ジョンソンに2打差まで詰め寄られたが、ミケルソンはその後ショートパットに苦しみ自滅。ジョンソンも14番(パー5)で第2打を右のOBに打ち込みダブルボギーとして後退。後続が慌てるのを尻目に、8番以降は16番までパーを並べ続け、上がり2ホールは連続ボギーとしたが、結局3打差をつけて頂点に立った。
8月で43歳になるクラークは、今大会が自身54度目のメジャー大会。母国で行われる全英は20度目の出場だった。これは全英の優勝者史上、初出場から最も出場試合数を要した選手となる。また、「全米オープン」を制したロリー・マキロイに続き、北アイルランド勢がメジャー2連勝を達成。昨年の「全米オープン」もグレーム・マクドウェルが優勝しており、2人の大先輩は「我々は素晴らしいコースと環境に恵まれている。あんなに小さな地域から、この短い期間に3人ものメジャーチャンピオンが生まれるなんて、素晴らしいことだ」と誇らしげに語った。
前夜にはマキロイ、そして今大会を左ひざの故障で欠場したタイガー・ウッズからメッセージを受け取ったという。「彼はちょっとしたアドバイスをくれたんだ。それが素晴らしくてね。おかげでいいプレーができたよ。内容?教えない。2人だけの話だから」。
5年前、最愛のヘザー夫人を癌で亡くした。「誰かが天国から見てくれている。彼女はきっと私を誇りに思ってくれるだろう」とクラーク。「私は42歳。もう若くは無い。今回の優勝が、最初で最後のメジャータイトルになるはずだ。だからこそ今日は本当に自分のベストを尽くした」と激闘を戦い抜いたベテランが胸を張った。