フロリダシリーズ最終戦 “スネークピット”に小平智が初挑戦
2019年 バルスパー選手権
期間:03/21〜03/24 場所:イニスブルックリゾート&GC(コパーヘッド)(フロリダ州)
スネークピットをかいくぐれ 悲劇を生む最終グリーン
■イニスブルックリゾート18番パー4(445yd)
フロリダ州タンパ近郊のイニスブルックリゾートは、前週「ザ・プレーヤーズ選手権」が行われたTPCソーグラスからは自動車で約4時間。2週前の「アーノルド・パーマー招待」の会場ベイヒルクラブ&ロッジからは約2時間のところにあります。今週の「バルスパー選手権」は今年からフロリダシリーズ4連戦の最終戦になりました。
当地の名物はスネークピット(蛇の穴)の愛称を持つ16番からの上がり3ホール。今回はその締めくくりである18番をピックアップします。
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第1打はフラットですが、290yd地点から急激にフェアウェイが狭くなるのが最初の特徴です。両サイドの深いバンカーが1Wショットを制限しています。もちろん手前に刻めば広いエリアになりますが、2打目のポジションからグリーンには9ydほどの打ち上げに。グリーンが硬い日はボールを止めにくく、奥までは突っ込みづらいシチュエーション。シビアな距離感を要求されます。
イニスブルックリゾートはPGAツアーが行われている他のコースとは異なり、両サイドに木々が多く並びます。ラフも深いため、ただ飛ばしにかかればいいというわけではありません。この18番のグリーンは奥から手前に激しく下る傾斜。中央部分が高い“馬の背”の形状で、3段グリーンのようになっています。
花道は第2打地点から真っすぐに伸びていません。右手前に狭い入り口があるだけ。特に右手前にピンが切られた日はフェアウェイからのショットを打ちたい。ラフからではキャリーでグリーンに着弾すると、奥にこぼれてしまう可能性も出てきます。右に外したときは傾斜が効いた難しいアプローチが残ることになり…とにかく最後まで油断できません。
最も警戒すべきは、最終日に切られることが多い右奥のカップ。奥のエッジとの縦幅が7ヤードほどしかなく、さらにショット、アプローチが少しでも弱いと傾斜で手前まで戻ってしまいます。昨年はパトリック・リードが悲劇の主人公になりました。トップタイで迎えた同ホール、手前からのバーディパットは傾斜を上りきらずに、自分が打った地点まで転がってきました。結局ポール・ケーシー(イングランド)にタイトルを譲る結果に。
しかしその4週後「マスターズ」で見事にグリーンジャケットを羽織るとは、その時は誰も想像しなかったでしょう(解説・進藤大典)
- 進藤大典(しんどう・だいすけ)
- 1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。