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2022年 ジェネシス招待
期間:02/17〜02/20 場所:リビエラCC(カリフォルニア州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

37年も破られぬ記録 難関リビエラはウッズ未勝利の地

ホアキン・ニーマン(チリ)が「ジェネシス招待」でツアー2勝目を飾りました。この大会で初日から首位を守る完全優勝は、1969年のチャーリー・シフォード以来となる快挙。弱冠20歳でチリ勢初のPGAツアー優勝を成し遂げてから約2年5カ月。新たな勲章が加わりました。

目を疑ったのは予選ラウンド終了時のスコアです。立て続けに「63」をたたき出して通算16アンダー。にわかには信じられませんでした。この大会の最多アンダーパー(72ホール)は、1985年にラニー・ワドキンスがマークした20アンダー。1980年以降のツアートーナメントで最も長く残っている記録なのですから。

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いまどきのゴルフ場としては珍しく池がひとつもないリビエラCC。目覚ましい進化を遂げている飛距離性能への対策として総距離を伸ばす改造などに踏み切るコースも少なくない中、ここリビエラではオリジナルのグリーンにほとんど手を加えることなく原型を保っています。

例年硬く仕上がっているグリーンは、オーガスタナショナルGCと比べても遜色ないスピードが出ます。オーガスタのベント芝に対し、こちらは不規則な転がりを生むポアナ芝というのも悩ましい。さらにグリーン周りも厄介です。抵抗の強いキクユ芝のラフは特にコントロールが難しく、トッププロでも思わぬ方向へ打ってしまうことがあるほど。

年間を通して比較的気候の良いカリフォルニア州ロサンゼルスですが、大会が行われる時期は雨季に当たります。雨が降ると一気に寒くなり、凍えるような思いをしたことも。天気が良くても朝と夜で寒暖差が大きいため、朝露がびっしりと付いたラフは非常に重くなっています。

かつてジャック・ニクラスが「世界最高のパー4のひとつ」と絶賛した10番(315yd)に象徴されるように、ショット力はもちろん、どうやって攻めていくかというマネジメント力が試される代表格といっていい舞台です。

長年破られていない通算20アンダーとともに、この地に残る“記録”があります。それは、ツアー最多タイ82勝を誇るタイガー・ウッズが一度も勝てていないこと。

16歳のアマチュアだった1992年にPGAツアーデビューを飾った記念すべき試合でもあるのですが、過去14回出場して未勝利。ウッズが10回以上出て優勝がないPGAツアートーナメントは、この大会と開催コースが変わる「ザ・ノーザントラスト」(11回)しかありません。

また14回のうち、リビエラが「全米シニアオープン」の開催コースに決まっていた1998年のみカリフォルニア州バレンシアCCに舞台を移しています。このときはキャリア12回のプレーオフで唯一となる黒星を喫して2位。勝てない大会やコースがむしろ特別感を帯びてくるのは、残してきた数字が偉大すぎるレジェンドならではでしょう。

2020年からは招待試合に格上げされ、ホスト役を務めるウッズ。ちょうど1年前(21年2月23日)の自動車事故で負った大けがからの復帰の道筋は、依然として見通せないものとなっています。これまで以上に困難なミッションであることは承知の上で、ここリビエラで勝つ姿が見たい―。そんな文字通りの「奇跡」を期待するゴルフファンは僕だけではないはずです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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