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進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

【進藤キャディ解説】新星台頭の陰で心配なニュース 対策徹底でも新型コロナ陽性の恐さ

PGAツアーは「トラベラーズ選手権」に続いて「ロケットモーゲージ・クラシック」でもプレーオフ決着となりました。26歳のキャメロン・デービス(オーストラリア)がトロイ・メリットホアキン・ニーマン(チリ)と優勝経験のある2人を振り切って初タイトルをつかみました。

手前のバンカーからチップインイーグルを決めた17番(パー5)、外せばプレーオフに進めない2mの微妙な距離をねじ込んだ最終18番と上がり2ホールの集中力が圧巻。5ホール目までもつれたプレーオフでも安定したショットでスキを見せず、常に相手にプレッシャーをかけ続けた末の勝利に強さを感じました。

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キャリア初優勝は2017年のオーストラリアツアー「エミレーツ オーストラリアオープン」。3日目を終えて首位に立っていたジェイソン・デイをはじめ、キャメロン・スミスマット・ジョーンズといった豪州の先輩、スポット参戦のジョーダン・スピースも含めてPGAツアーで活躍する強豪たちを抑えての鮮やかな逆転Vでした。それから、まだ4年も経っていません。今季ドライビングディスタンスはツアー17位の308.6ydと飛距離も十分。下部ツアーを経て駆け上がった舞台で名刺代わりの1勝となりました。

この試合では心配なニュースも入ってきました。松山英樹選手が新型コロナウイルス感染を調べるPCR検査で陽性反応を示し、棄権を余儀なくされました。

PGAツアーではワクチン接種を完了していない選手、関係者は大会が始まる前の月曜日にPCR検査を受けて陰性であれば、当該週で再び検査する必要はありません。松山選手は初日を終えて金曜日に改めて検査を受け、陽性反応を示したとのことですから、体調に異変を感じ取ったのでしょう。

コロナ禍に見舞われた昨年からチーム松山の感染対策は徹底していたと聞きます。米国内の飛行機移動はプライベートジェット。トーナメント期間中はホテルとコースを往復するだけで、食事はテイクアウトを利用。日々のトレーニングも滞在するホテルのジムが使えないケースがあるため、部屋か屋外で行っていました。

米国疾病予防管理センター(CDC)がワクチン接種完了者にマスク着用義務はないとする新たな指針を発表したのが5月13日のこと。しかし、今年に入ってギャラリー入場が認められるようになったPGAツアーの会場では、それ以前からマスクをしない人がどんどん増えていました。

松山選手はファンにサインするときも基本的にマスクを着用。試合が始まれば目澤秀憲コーチ、飯田光輝トレーナー、通訳兼マネジャーのボブ・ターナーさんらサポートスタッフはマスク姿でロープ外を歩き、早藤将太キャディもマスクをしてバッグを担ぐこともありました。

先月僕が仕事でトーナメント会場を訪れた際にもそういった姿を見ていただけに、本人のショックを想像すると胸が痛みます。同時に、いつ誰が感染してもおかしくない世界で生きていることを思い知らされます。

次週には「全英オープン」、さらにその2週後には「東京五輪」も控えます。「マスターズ」を勝ったシーズンの最後のメジャー、母国開催のオリンピックといつも以上の期待を背負うことになると思いますが、競技人生はまだまだ続きます。松山選手がベストと思う選択をしてほしいですし、今はただ一日も早い回復を願っています。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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