プロアマでは苦戦も…松山英樹はフェアウェイキープ向上なるか
2020年 ファーマーズインシュランスオープン
期間:01/23〜01/26 場所:トーリーパインズGC(サウス)(カリフォルニア州)
タイガー伝説が息づく地 サウス18番の2オンは鳥肌モノ
トーリーパインズGC サウスコース 18番パー5 (570yd)
PGAツアーは本土に戦いの場を移し、いよいよシーズンが本格化します。今週はサンディエゴにあるトーリーパインズGC。タイガー(ウッズ)が過去7勝を誇る大会であり、全米オープンが開催された2008年は左ひざに故障を抱えながらプレーオフにもつれる死闘を制した舞台。もはや説明不要の感すらある名コースですね。
太平洋を一望できる雄大なコースはサウスとノースの36ホールあり、予選ラウンドは両コースを1日ずつプレーし、決勝ラウンド2日間はサウスのみで行われます。パブリックながら、サウスの総距離は7765yd。昨季(前年大会は7698yd)のPGAツアー46大会で最も長かったのが、このサウスコースです。
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ノースも2016年の改造で大幅に難しくなりましたが、やはりサウスは別格。コースの長さに加え、ツアーでも1、2を争うほど深いラフが厄介です。粘り気のあるベント芝で、フェアウェイを外せばグリーンに乗せるのは至難の業。4つあるロングホールも2オンのハードルは極めて高く、ティショット、セカンドと完璧なつなぎが求められます。
そんなサウスコースのフィニッシングホールとなる18番は、570ydのパー5。飛距離のある選手なら1Wのティショットをフェアウェイに置くことができれば、5W前後のクラブでグリーンには届きます。しかし、本当の難しさはここからです。
横に2段となっているグリーンは縦幅26yd、横幅30yd。手前はすべて池に吸い込まれ、安易に奥へ逃げたプレーヤーには、急激なダウンスロープに背筋が凍るアプローチが待ち受けます。カリフォルニアでも、まだまだ朝露が多い時期。グリーンは比較的軟らかいところも多いとはいえ、ライナー系のボールやスピンが入っていないボールがグリーンに止まることは、まずないでしょう。
昨年大会の最終日、松山(英樹)選手は右のフェアウェイバンカーからUTで見事に2オンし、バーディ締めで3位に食い込みました。ショット・オブ・ザ・ウィークに選ばれたのも納得のスーパーな一打。現場で見ていた僕も、鳥肌が立ったのを覚えています。松山選手はもちろん、タイガー、ロリー(マキロイ)、ジェイソン(デイ)…。名手たちが磨き上げたロングゲームは必見です。(解説・進藤大典)
- 進藤大典(しんどう・だいすけ)
- 1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。