2013年 全米オープン

【WORLD】7000ヤードを切るメリオンの難易度

2013/06/10 12:04

Golf World(2013年6月10日号)texted by David Barrett

昨年大会は最終日に逆転勝利を飾ったW.シンプソンだが、メリオンの終盤の難関ホールを警戒する。

コースの中盤の難易度も去ることながら、プレーヤーは14番から始まる超難ホールの連続を上手くやり過ごさなくてはならない。「今回の全米オープンで、ラスト5ホールで逆転優勝する可能性は無いと思う。それだけハードなホールだから」とは、前年度王者であり、メリオンで開催された2005年の全米アマチュア選手権に出場したウェブ・シンプソン

固く速いグリーン、深いラフ、狭いフェアウェイ、厳しいライ、難しいパー3、そして戦術的な難しさにより、ベストプレーヤーにとっても厳格なコースと化したイーストだが、メリオンはグリーンを岩のように固くしたわけでもなく、毎日ティを変更しているわけでもなく、ホールロケーションが極端に厳しいというわけでもない。フェアウェイの幅を狭めたこと。これこそUSGAが仕掛けたトリックというわけだ。

「マイク・デービスなら、このコースを攻略不可能に出来たかもしれません。しかし私達は、普段のようにプレーが可能な状態にしたかったのです」と、マルッチは語る。

メリオンの名誉が傷つくことはないだろうが、同時に誰もプレーヤーの地位が失墜することなど望んではいない。メリオンとUSGAの間にはある総意があるのだろう。それは、普段のコンディションであれば、優勝スコアは通算4アンダーか5アンダー。コースがソフトになれば二桁アンダーに到達する可能性もあるという。

1981年にメリオンで開催された全米オープンで優勝した(デヴィッド)グラハムは7アンダー273で優勝。メリオンで初めて全米オープンが開催された1934年にはオリン・デュトラがトータル294で優勝。その次の1950年大会ではホーガンがトータル287、そして1971年大会ではトレビノがトータル280と、回を重ねるごとにトータル7アンダーずつスコアが伸びている。

この傾向はテクノロジーの進化の表れ。1981年以降、技術が急激に進歩したことに異論を挟む者はいない。だがメリオンとて進化を遂げた。単にコース距離を拡張しただけではなく、栽培技術の進歩のおかげでグリーンスピードが上がり、固くもなった。

こうした進化こそ、メリオン・イーストで再び全米オープンを開催出来る要因に他ならない。そしてデービスも同意している。

「全米オープンを開催するコースは、どこも各々の特徴が際立ったタフなコースになっています。メリオンが今大会で示す挑戦は、飛距離が全てではないということの証明なのだと、私は思っています」。

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