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2013年 全米オープン
期間:06/13〜06/16 メリオンGC(ペンシルベニア州)

<佐渡充高の選手名鑑 81>番外編/全米オープン

2013/06/10 12:14


■ ボビー・ジョーンズ史上初のグランドスラム達成の地

今年の「全米オープン」の会場となるメリオンGCイーストコースは、ボビー・ジョーンズゆかりの地、そして大記録が達成されたコースである。1930年9月の「全米アマチュア選手権」はメリオンGCでの開催が決まっていた。その年ジョーンズは、「全英アマ選手権」、「全英オープン」、「全米オープン」に優勝し、年間グランドスラムの期待がかかっていた。(当時の4大メジャー大会はその3試合に加え全米アマ選手権の4試合だった)。ジョーンズは前人未到の大記録をかけ、メリオン開催の「全米アマ-」に挑むことになっていた。

同コースで初めて「全米アマ-」が開催されたのは1916年で、当時14歳のジョーンズは、初めて同大会に出場した。後の1924年の大会では優勝しており、ゴルフファンからの期待は大きく膨らんだ。その一方で、ジョーンズはその頃から原因不明の疲労や倦怠感に襲われ、体力に心配があった。しかし期待に応えようと、ネガティブな様子など微塵も見せずに奮闘、予選のストロークプレーはトップで通過すると、4マッチも順調に勝ち進み、残すは最終日36ホールの決勝だけとなった。連戦で体力は限界に近づいていたが、最後の力を振り絞り、ユージン・ホマンズとの対戦に挑んだ。ジョーンズは午前の18ホールで7アップと順調な滑り出しを見せると、午後も快調なプレーを続け、最終的には8&7の大差で勝利。この史上初の年間グランドスラム達成は、全米で大騒ぎとなった。アメリカのヒーローの誕生に、ニューヨークでは優勝パレードが行われ、記念切手まで発売された。

世間はさらなる期待を寄せたが、競技ゴルフを続ける体調に戻ることはなく、惜しまれながら、同年の28歳で現役を引退した。その後、検査で脊髄空洞症が原因であることが判明し、腕や指のしびれ、麻痺に苛まれ、晩年は歩くことも困難で車椅子の生活を送った。現代の4大メジャー大会は、ジョーンズが創設した「マスターズ」、「全米オープン」、「全英オープン」、「全米プロ選手権」だが、未だ年間グランドスラムを達成した選手はいない。ジョーンズの前人未到の偉業は、今もメリオンGCとともに輝いている。

■ メリオンの奇跡

1950年、同コースで開催の「全米オープン」は“メリオンの奇跡”として今も語り継がれている。1949年2月1日、ベン・ホーガンは車でテキサス州の自宅へ向かっていた。霧が深く、視界が悪くなってきた20時半頃、ホーガンの運転する車は、橋にさしかかり、注意深く徐行運転していた。その時だった。対向車線を走る長距離バスが追い越しをかけ、正面からホーガンの車に突っ込んできた。その瞬間、ホーガンは同乗していた助手席のバレリー夫人の身を守ろうと覆いかぶさった。正面衝突の衝撃は大きく、ホーガンの顔は原形をとどめず、首、左腕、骨盤が砕け、左足首にはハンドルの柄が突き刺さる大事故となった。瀕死の重症となったホーガンのニュースは、全米中を駆け巡り、誰もが選手生命は終わったものと悲しんだ。

しかし懸命に闘病生活を乗り越え、1950年、メリオン開催の「全米オープン」で奇跡の復活を遂げたのだ。彼は脚に包帯やサポーターを巻いて出場。最終日の36ホールは過酷なものとなった。最終ラウンドを、ホーガンは3打リードでスタートしたが、迎えた12番では、激しい痛みで足を動かせなくなり、ホールアウトできるかさえも危ぶまれた。その後スコアを3つ落とし、翌日、ロイド・マングラム、ジョージ・ファジオとのプレーオフ18ホールが決定した。状況はどう考えても、ホーガンには不利に思われたが、痛みに耐え、最後の力を振り絞ると、ホーガンは「69」、マングラムは「73」、ファジオ「75」とし、長い長い大会を制したのだった。ホーガンの不屈の精神力が、メリオンで奇跡を起こしたのだ。

■ 今年は、かつてない全米オープンになる!?

今年の「全米オープン」の舞台となるメリオンGCは、全長6996ヤード、パー70と短く、ここ数年、同大会が7500ヤード前後の長いコースで開催されてきたことを考えると異色、異例に映る。そしてコースの特徴は「両極端」であること。極端に難しいホールと、極端に易しいホールが混在する。「全米オープン」といえば、どのホールもある程度の難度を保ち、忍耐を求められるホールが続くのだが、今年は様相が異なる。例えば、パー4は全部で12ホールあるうち、300ヤード台が5ホール、特に10番は303ヤードと短く、ドライバー以外のクラブで1オンも狙える。一方、18番は521ヤードと長く、場合によってはボギーでも悪くないと言うほど、難度の高いホールが最後に待ち受けている。また、パー3は3番が256ヤード、9番は236ヤード、17番246ヤードと極めて長いが、13番は115ヤードと極端に短い。同様な短さで言えば、106ヤードのペブルビーチの7番パー3と言ったところ。しかし海に面するペブルビーチの7番とは違い、メリオンは内陸に位置するため、強風で使用クラブが大きく変わることも少なく、ウェッジでバーディチャンスにつけスコアを伸ばさなければ優勝争いに残ることはできない。こんなことからも、今年の優勝スコア、試合展開は今までの「全米オープン」とは違うのではないかと興味深い。ジョーンズやホーガンの激闘の舞台となったゴルファー垂涎の舞台で、21世紀初の開催である今年は、予想を超える何かが起こりそうだ。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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