2013年 全米オープン

【WORLD】7000ヤードを切るメリオンの難易度

2013/06/10 12:04

Golf World(2013年6月10日号)texted by David Barrett

距離は短いメリオンGCだが、USGAは今年も最高のテストとする自信を持っている。(Stephen Szurlez/GD)

メリオンのヘッドプロであるスコット・ナイの見解はこうだ。「私がこのコースでブラント・スネデカーとプレーした時、彼は8番ホールのフェアウェイバンカーの先にあるフェスキューが危険と判断し、ティショットを4番アイアンで打ったのです。それからピッチングウェッジではなく、9番アイアンを選択してグリーンに乗せました。コースに適したティショットをどのクラブで打つかという戦術が、ここメリオンでは重要なのです」。

メリオンはプレーヤーに対して、多くの全米オープン過去大会と比べてドライバーの技量を求めていない。ドライバー技術こそ全てと考えるプレーヤーにとっては、それがメリオンの欠点に映るのだろう。プレーヤーは、おそらくドライバーを1ラウンドのうち7度以上使うことはない。ひょっとすると数回かもしれない。特に最近の3番、5番ウッドで得られる飛距離と、ラフに入った後のことを考えればだ。しかしデービスは、そういう点をコースの弱みとは考えていない。

「ドライバー技術を試すというのは、プレーヤーが直面する試練の1つにしか過ぎません。いくつかのホールでは、ティショットで6番アイアンからドライバーまで選択が可能。フェアウェイのアングルを見て、適切なラインを取って、正確に距離を測ってクラブを選択する。その日のコースコンディションを見てクラブを選択する。単なるロングホールと比較したとしても、いかに難しい試練となるかがわかると思います。だからこそ全米オープンの14ホールでドライバーを使わないといけないなんてナンセンス。極めてナンセンスでしかない」。

当然プレーヤーは練習ラウンドでは360ヤード程度の7、8番ホールでドライバーか3番ウッドでのティショットを試すだろうし、グリーンの近くまでボールを運べるかもしれない。しかしそれはあくまでも練習ラウンドでの話。本戦での7番ホールで思いきった戦術を取るのは懐疑的。ウォーカーカップの際には、デービスが8番ホールでドライバーを使用出来るようにティ位置を上げたが、ストロークプレーで同じことをする可能性は低い。

ドライバーでグリーンまで到達可能なパー4は、おそらく303ヤードの10番ホール。だが問題なのはティが木々に囲まれた位置にあり、グリーンを直接狙うには30ヤードはドローさせる必要がある。デービスは、「誰にでも試すことは可能でしょう。しかし実際にティに立ったプレーヤーを見ると、自信の無い選手はすぐにわかるもの。彼らが、1971年、1981年の大会に出場したプロと同様の自信を持っているとは思えません」と言う。

グリーンを外し、変なところにボールが行くと、イージーなバーディがイージーなボギーに変わるため、ナイは大半のプレーヤーがハイブリッドかアイアンをティショットで使い、残り80ヤードの距離からバーディを狙うと予想する。

そして556ヤードの2番パー5も2オンが可能なコースだが、危険も付きまとう。フェアウェイ右側はOB、そして左側にはメリオンの中でも相当に深いラフが待っているからだ。628ヤードの4番パー5についても言及しておく。起伏のあるフェアウェイ、そしてグリーン前には小川が流れている。一般的に考えれば、プロはパー5をロースコアの為に有効に使うが、メリオンのパー5ではリスクが大きいのだ。

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