2013年 全米オープン

【WORLD】7000ヤードを切るメリオンの難易度

2013/06/10 12:04

Golf World(2013年6月10日号)texted by David Barrett

折り返しの9番はパー3。32年前よりも距離は伸びたが、使用される番手はほぼ同じはずだ。(Stephen Szurlez/GD)

ショットの正確性が最も試されるのはパー4の11番と16番。前者はコブスクリークという川がグリーン手前に流れるコースで、後者は以前石切り場だった場所に木々を植え、芝を長くし、絶対にバンカーを避けたいホールに変わった。フェアウェイにさえティショットを落とせれば、両ホール共にバーディホールとなるだろう。

しかし、もしラフに捕まり、良いライでなければ、40ヤード打って脱出しレイアップするしかなくなる。そして15番の左にあるOBは、他の全米オープン開催ホールと比べても、フェアウェイすれすれのところにある。

ミスショットしたときのペナルティについて、1971年にリー・トレビノは「確かにメリオンにはバーディホールが16あるが、それと同時にボギーになるホールが18あるとも言える」と表現した。

距離のあるパー4の方が3番ウッドでティショットを打ち、離れたグリーンを狙う上で障害となるラフも少ない。しかし、それでも問題を投げかけてくるだろう。

5番と6番ホールは、1981年のオープンと比べて特に距離が伸びたと感じるはず。当時は426ヤード、420ヤードだったのに対し、現在は504ヤード、487ヤードにまで拡張されたからだ。さらにミドルセクションにもシャープなエッジを効かせた。その他で距離が長いパー4と言えば18番ホール。1950年にホーガンが奇跡のアイアンショットと呼ばれる一打を放ったホールだ。

このホールもまた、もはやショートパー4ではなく、メリオンのコース中で最もテクノロジーを投じたものと言える。18番ホールは2005年の全米アマチュアオープン前に458ヤードから505ヤードに拡張されたが、それ以降、小さなティグラウンドを設置し521ヤードとなった。ここまで長くなったにも関わらず、何選手かにとってはティショットでドライバーを打つことにはならないだろう。

ホーガンのショットを記念する銘板が設置された箇所から割と近い場所からダウンヒルが待っている。2005年のアマチュア選手権の際、ロングヒッターだった数選手が、そのスキーコースのような下り坂にまで飛ばし、ウェッジでグリーンに乗せるということもあったが、今大会では往々にして起こらないだろう。フェアウェイの固さは増しており、ややもすれば左のラフに転がっていってしまうからだ。ラフは8月の暑い時期に開催される全米アマチュアの時よりも深い。おそらくティショットを抑え、高台から5、6番アイアンを選択するプレーが平均的に見られるのではないだろうか(ホーガンは36ホールの疲労を感じさせずに18番でのプレーオフで5番アイアンを選択したのだが)。

さらにこれら難易度の高いパー4の他、メリオンがプレーヤーの好スコアを阻む要因となるのは、屈強となったパー3もあるからだ。5、6番に加えて3番が加わりトリオとなった難ホールでは、32年前よりも多くのクラブを必要とする。以前は183ヤードだったホールも256ヤードとなった(数日は219ヤードとなるだろう)。9番ホールも195ヤードから236ヤードにまで拡張されたが、プレーヤーはきっと1981年当時と同じ4、5番、或いはピン位置によって6番アイアンを使用するだろう。

そしてイーストコースでも長いパー3と位置づけられている17番ホール。2005年のアマチュア選手権までに224ヤードから246ヤードにまで拡張された。デービスがプレーヤー達に箸休め的な助言をしてくれている。彼曰く、多くのカップ位置で、バックティは相当に厳しいため、フロントティで多くプレーされるのではないかとしているのだ。

デービスは、「私の考えでは、難易度という観点で見た場合、メリオンのパー3は過去の全米オープンを開催したどのコースと比較しても遜色ないでしょう」と語る。

彼が言うには、パー3の拡張は理に適ったものだという。グリーンはボールの転がりが良い為、グリーンの手前3分の1にボールを落としたとしても、そのままカップの後ろ側にまで転がるからだ。2009年のウォーカーカップで気付いた点として、デービスは6番ホールでバックティを使うとすると、275ヤードのパー3になると話してくれた。それから256ヤードのティの話に移ると「大成功だった」と続けた。

115ヤードの13番ホールを比較対象として挙げてみると、129ヤードだった1981年のコースよりも難易度が上昇。一般的に考えられているよりも難しく、グリーン位置に対してバンカーが周到に考えられている。

短いパー4は通常の全米オープンと比べればバーディチャンスになるかもしれない、決して簡単に攻略が可能なホールではない。プレーヤーにはショットの正確性が求められ、ティショットをどの位置に持っていくかが重要となる。

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