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2022年 ロッテ選手権
期間:04/13〜04/16 場所:Hoakalei Country Club

リディア・コー 笑顔の天才少女はいかにして復活したのか<LPGA選手名鑑>

リディア・コー(ニュージーランド)選手がスターダムに上がったのは今から10年前、2012年の豪州女子ツアー「NSW女子オープン」でした。14歳のアマチュアにして初優勝。その年の「全米女子アマチュア選手権」も制し、さらに8 月の「カナディアン女子オープン」でLPGAツアー史上最年少の15歳で優勝しました。

LPGAでのアマチュア優勝は1969年のジョアン・カーナー以来5人目、43年ぶりの快挙。翌13年大会で連覇してしまうのですから、まさに天才少女と呼べる存在です。世界アマチュアランキングでは130週わたって1位の座を保持しました(※編集部注:2011年に設立された同ランクの初代1位は片平さんでした!)。

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いまやゴルフ界でその名を知らない人はいないプレーヤーですが、よくよく考えると、彼女はまだ24歳、日本の学年で言うと、畑岡奈紗選手や渋野日向子選手ら“黄金世代”の1つ年上なだけなのです…。

■10代で世界のトップに

リディア・コー Lydia Ko
◆生年月日 1997年4月24日
◆出身 韓国・ソウル
◆ルーキーイヤー 2014年

韓国ソウルで生まれたコー選手は幼い頃にニュージーランドに移住し、母の影響を受け5歳でゴルフを始めました。12歳のときに同国の国籍を取得。7歳で大人がプレーするナショナル大会にも出場したそうです。

アマチュア時代にLPGAツアー2勝を含むプロツアーで4勝という看板をひっさげ、13年の冬にプロ転向を表明、翌年から米国を主戦場とします。自身9戦目となった「スウィンギングスカートLPGAクラシック」で優勝、記念に大会初日の「2014年4月24日」を右手首にタトゥーで刻みました。さらに「マラソンクラシック」、最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」も勝利。最優秀新人賞をつかんだのは言うまでもありません。

2年目の15年には2月に17歳で世界ランキング1位に到達。5勝を挙げて初の賞金女王になり、前年に続いて年間ポイントレース1位でフィニッシュしました。

■コーチ

順調に勝ち星を積み重ね、16年には「リオデジャネイロ五輪」で銀メダルを、21年には「東京五輪」で銅メダルを獲得するなど、米国外でも活躍してきた彼女はかねて、多くのスイングコーチに師事してきました。

13年冬のプロ転向直後からデビッド・レッドベター氏に指導を仰ぎ、16年からはゲーリー・ギルクリスト氏。18年には1年間、テッド・オー氏。さらに19年はクリス・メイソン氏、デビッド・ウィーラン氏、ジョージ・パラダ氏…と、まさに“とっかえひっかえ”。16年までに通算14勝を挙げていましたが、17年には0勝、18年に唯一の勝利となった「メディヒール選手権」では思わず涙を流しました。

近年のカムバックには、かつてタイガー・ウッズのコーチだったショーン・フォーリー氏との20年以降の取り組みが功を奏しているようです。失っていたゴルフへの楽しみを、ゲームをすることで取り戻そうとしました。練習ではフロントティ、いわゆる女性アマチュア用の“赤ティ”からプレーして100yd以内のショットと向き合ったり、後方のティからはクラブの数を制限して回ったり。

拠点にしているフロリダ州オーランド・レイクノナGCのメンバーと、各ホールで“負けたら腕立て伏せ”という賭けをしてラウンドすることも。最初のうちの腕立ては10回だったそうですが、あまりにみんなヘロヘロになるので5回に減らしたそうです。

スランプの渦中にいた頃は、YouTubeでアマ時代のスイングを見返し、練習場で映像を何度も撮影しましたが、フォーリー氏からは「技術面よりおイマジネーションやフィーリングを大切にしよう」と教わり、試合中はスイングを考える時間を少なくしました。「年間5勝」といったような大きなゴールではなく、各試合でのフェアウェイキープやパーオンの数といった小さなゴールを意識しています。

■いつも笑顔

優勝がなかった17年には精神的な疲れから体重が激減。筋肉量を増やすべくランニングやピラティス、ヨガなど、エクササイズをかなりハードに行い飛距離も戻ってきました。プレー中は栄養補給のゼリーやフルーツをキャディバックに入れています。

今季は1月にさっそく「ゲインブリッジLPGA」で初優勝。ショットメーカーとして知られていますが、ショートゲーム、とくに100yd以内の距離感は世界随一と言えるでしょう。

昨年の「東京五輪」でも話題になりましたが、他の選手の好プレーを素直に喜べる人柄の持ち主です。ファンサービスの時間が長く、怒っているようなシーンを見たことがありません。

選手の友達も多く、練習場やコースでたくさんのプロと話します。頭脳も明晰で、インタビューでは難しい質問でも冗談で返し、笑いをとるのもLPGAツアーの名物のひとつかもしれません。本人は「30歳前後で引退したい」と話していますが、今後も楽しみなヒロインです。

片平光紀(かたひら・みつき) プロフィール

1989年、神奈川県生まれ。中学卒業後に単身渡米しジュニアアカデミーで腕を磨いた後、デイトナ州立大に進学。2011年に設立された世界女子アマチュアランキングで1位に立った。卒業後に米女子ツアーの予選会を通過してレギュラーツアーおよび下部ツアーでプレー。親指の故障を原因に2015年に現役を退き、米ゴルフチャンネルでリポーターに転身した。

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