まさに“グリーン上のトラックマン” 次世代のパット計測器を米ツアーで発見
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント presented by Workday◇ミュアフィールドビレッジGC (オハイオ州)◇7569yd(パー72)
ここ最近、PGAツアー(米国男子ツアー)の会場でグリーン上に置かれている、ある機器の存在が気になっていた。ゲート状の形をした計測器で、プロがその間を通すようにパッティングする姿をよく目にする。6月初頭「メモリアルトーナメント」でもジョナサン・ベガス(ベネズエラ)が利用していた。
その正体は、Grasp Technology社が開発した「スマートパッティングゲート(SPG)」。パッティングコーチのフィル・ケニオン氏が考案したものだという。ベガスのほか、ジャスティン・ローズやトミー・フリートウッド(ともにイングランド)、ベン・グリフィン、ライアン・ジェラルドら名だたる選手が継続的に使用しているそうだ。果たして何が計測できるのだろうか。
同社のツアー担当者は「内蔵した高速カメラが、ゲート通過時のボールの速度、打ち出し方向のズレ、転がりをとらえて計測します。つまり、そのパットのトータルスピードや、方向が分かる仕組みです」と説明する。データはiPadに転送され、画面上ではボールの転がりがスロー再生で確認できた。
「カメラは内部に1つ、前方に1つ、後方に1つの計3基を搭載しています。映像は非常に高精細で、スロー再生ではボールのディンプルの動きまで確認可能です。ボールが滑っているのか、すぐに順回転が始まっているのかといった“見えない部分”までチェックできます」
さらに、パター軌道やフェース向きなど、インパクトの瞬間も確認できる。機器から後方に照射されるレーザーにより、アライメントチェックも可能だ。「今後はフェース向きや軌道、インパクト、打ち出しデータなどを、より詳細に分析できるようにアップデートしていきます」と話す。
練習効率を高めるだけでなく、新しいパターのフィッティングにも大いに役立つ。何より、グリーン上にポンと置くだけで計測できる手軽さが、プロたちの心をつかんでいるようだ。
気になるお値段は「約1万2500ドル(約200万円)で予定しています」とのこと。この価格を高いとみるか、安いとみるか。パッティングも“見える化”の時代へ。トップ選手ほど、細部へのこだわりは強い。(編集部/服部謙二郎)