女子ツアーで“ゼロトルク”パターに新種発見 なんじゃこの三角フェースは!? またまた驚きのアイデア凝縮
◇国内女子◇ニチレイレディス 事前(19日)◇袖ヶ浦CC新袖C(千葉)◇6594yd(パー72)
女子ツアーでまたまた異質なパターを見つけた。シャフトがフェースよりも内側に挿さった、いわゆる“ゼロトルク”ヘッド。この手のパターはもはや見慣れてきたが、それだけではない。なんと、フェースの形が三角(厳密にいえば台形)なのだ。
パターのフェースは楕円か長方形が相場。袖ヶ浦CCの練習グリーン上に並べてあったそのパターたちは、トウ側の幅が広く、ヒール側の幅が狭く傾斜がついていた。どんな狙いがあるのか。ライ角などはどうなっているのだろうか。
パターの名前は「PARADOX」(パラドックス)。昨年来、ツアーで使用者がじわじわと増えているパターシャフト「スタビリティー」を手掛ける米BGT社が開発した新作だ。同パターを取り扱うレップの藤田典孝氏(スポーツティエムシー社)によれば、三角の傾斜は約10度。パターそのもののライ角は70度だが、10度の角度がつくことで、トップブレードに対しては80度で構えられることになる。
「支点を胸のあたりに持ってきやすいので、いわゆるショルダーストロークで打ちやすい」(同レップ)という優れもの。用具としての規則をクリアした上で、限りなくアップライトなイメージで構えられる、まさに画期的なアイデア。中尺、長尺パターの導入も検討しているとのことで、使用したい選手は多いのでは。すでに片山晋呉からリクエストが入っているというから、さすがの耳の早さだ。
もう一つ特徴的なのはトウとヒールに埋め込まれたウエート。トウ側は上部に、ヒール側は下部に配置され、トウ側の重量を高く、ヒール側の重量を低くして、絶妙なバランスを出している。ストローク軌道に対して常にフェースがスクエアを保つような狙いがあるというが、そもそもゼロトルクの時点でフェースの開閉が限りなく抑えられているから、まさに究極の“真っすぐフェース”パターではないか。
アドレスビューに違和感が出てきそうなものだが、構えてみると意外としっくりくる。フェースはアルミの削り出しで、打つと少し硬めか。ヘッドはツノ型とブレード型の2機種。サイ・ペイイン(台湾)やペ・ソンウ、リ・ハナ(ともに韓国)、大出瑞月らが試したという。来月初旬に発売予定という新種のパター。気になる人はメーカーの発表を待たれよ。(千葉市若葉区/服部謙二郎)