新人の川村昌弘、ジャンボとの練習ラウンドにドキドキ
話題の太グリップ スーパーストローク
男子、女子ともに国内ツアーも終盤戦。残すところ数試合となった。ところで今シーズン、とりわけ男子トーナメントのパッティンググリーンで選手たちが手にしたギアのひとつが、ホワイトがベースカラーのグリップが入ったパター。通常のものよりも、ひと回り、ふた回り太い「スーパーストローク」グリップだ。ツアーでの注目度の高さに比例するように、同製品は一般ゴルファーの間でも人気に。話題となったこの一品を“おさらい”しよう。
日本では今季からツアーに投入されたこの「スーパーストローク」だが、米国では既に数年前から使用選手がいた。代表的だったのは韓国のチェ・キョンジュ。彼がパッティングに悩み、常々とパターを替え、そして構えや握り方を変えることは有名だが、昨年の「ザ・プレーヤーズ」を制した際に入っていたグリップでもある。さらに、同年の「全米プロゴルフ選手権」。キーガン・ブラッドリーにプレーオフで敗れたジェイソン・ダフナーが愛用、契約プロであったことから、一層視線を浴びるようになった。同大会ではダフナーのメジャーでのツアー初勝利はならなかったが、今季の活躍はご存知の通り。また、ビジェイ・シン、セルヒオ・ガルシアのほかフィル・ミケルソンも実戦でテスト。日本では武藤俊憲、川村昌弘、原口鉄也、白佳和、キム・ヒョンソン、小田孔明らが使用している。
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現行モデルは全4種類。最も太い「ファッツォライト」、いわゆる通常のパターグリップの太さに近いのが「ウルトラスリム」。そしてその2つの中間の太さである「スリムライト」が最も使用率が高い。また、中・長尺パター用には「ベリーグリップ」が用意されている。
これまでの太グリップとの大きな違いは2点。まずはバット(グリップエンド)側からチップ側の太さがほぼ均一、数ミリ単位だがバット側の方が細い。そのため、力の入りやすい利き手が“悪さ”をするのを防ぐ。緊張感のあふれる場面では有効だ。そして、もう一つの特徴がその軽さ。スタンダードな太さのものと重量が変わらないため、差し替えてもヘッドとのバランスのばらつきを気にすることも少ない。太グリップといえば、ネオマレットのような大型パターヘッドとの相性が目立っていたが、ピン型パターに「スーパーストローク」を合わせる選手が多いのも、その点が理由のひとつと言える。
また、最も細いタイプの「ウルトラスリム」は“円形”に近いのも特長。スーパーストローク社の日本独占代理店である株式会社スポーツティエムシーの坂井徹士さんによれば、「武藤選手からは、ウェッジなどほかのクラブを握った後にパターを握っても、感覚があまり変わらないのが良いと評価をいただいています」とのこと。また、アマチュアの伊藤誠道は、中尺パターに「ベリーグリップ」を合わせて練習。試合中は使用しないが、パッティングフォームの矯正といった意味でも、重宝しそうだ。