“旅人ゴルファー”川村昌弘の足跡
2021年 コマーシャルバンク カタールマスターズ
期間:03/11〜03/14 場所:エデュケーションシティGC(カタール)
「いま僕はココにいます」Vol.107 カタール編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・27歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくはドーハにいます。
欧州ツアーは米国での世界選手権シリーズを除いて約1カ月ぶりの開催になります。2月の「サウジインターナショナル」を終えて日本に一時帰国し、「コマーシャルバンク カタールマスターズ」出場のため中東に戻ってきました。
いやはや…、今回はなかなかの旅のトラブルがありました。前週7日(日)に成田からの直行便でドーハへ。PCR検査も無事に、入国審査もスムーズに済ませた空港で、「外に出られない」ピンチに陥ったんです。
原因は新型コロナウイルス。日本も含めた多くの国ではいま、入国時に「接触確認アプリ」、「健康チェックアプリ」等の携帯電話へのダウンロードが推奨、義務化されています。僕のスマホにはすでに南アフリカやUAEなどのアプリが入っていて、今回も…と思っていました。
ところが、カタールのアプリは国際電話番号、つまり日本の番号での登録が認められていなかったのです。「SIMフリー」のスマホであれば、現地でSIMカードを購入することで電話番号をゲットできますが、あいにく僕もキャディのメグさん(坂井恵さん)も手続きをしておらず、このままでは空港の外に出られない…。
結局…スマホ、その場で買いました。2台で約200ドル。サムスン製。思いもよらない出費です。飛行機から降りたのが8日(月)の午前5時。空港を出て30分で着くホテルに到着したときには午前11時を回っていました。もうヘトヘト…。しかも試合に出るために必要な、空港で受けたPCR検査の陰性結果が出たのは9日(火)の午後2時。それまでホテルの部屋に“缶詰”にされていました。
とはいえ、ルールはルールですから不満は言えません。カタールは今、コロナ禍で外国人の入国は原則的に認められず、隔離が義務化されています。プロゴルファーを含めスポーツ選手については特例中の特例措置がとられており、僕たちもそのおかげで試合に出場できるのでありがたく思います。
思えば欧州ツアーは昨年、この試合を最後にシーズン中断に入りました。会場のエデュケーションシティGCは今年も地面が硬く、風がよく吹きます。珍しい“真珠の優勝トロフィ”をゲットできるように頑張ります。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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