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2011年 ウィンダム選手権
期間:08/18〜08/21 場所:セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第九回】

PGAツアーの選手が、日本ツアーに参戦したら、すぐ優勝できますか?

PGAツアーの選手が日本でパッとプレーして、すぐ勝てるかと言ったらそうではないと思います。日本の選手も力を持っていますし、その週に強い選手もいますから。やはりアウェーの選手は条件的に厳しいんですよね。時差ボケもあるだろうし、日本とアメリカ・東海岸などでは13時間の時差があります。それに、食事も違うし、空気も違う。万全な体制で試合に臨めるというのはほとんどないと思われますから、そう簡単に勝てるとは思いませんが、可能性がないとは言い切れません。

もし今田竜二選手が日本ツアーに参戦したら、賞金王レベルの活躍は見られると思いますか?

可能性はあります。今田選手はとても力を持っている選手です。しかし彼自身最近、ここぞというところで弱い部分があって、そういうところを克服すればもっと強い選手になれると思っています。これは日本の試合だけではなく、アメリカの試合でも同じことが言えます。今年5月の「HP バイロンネルソン選手権」では、途中までトップに立ち、最後の2ホールをパーで凌(しの)げば優勝できたんですよ。しかし、17番、18番でボギーをたたき3位タイと優勝を逃す結果になってしまいました。いわゆるクラッチシチュエーションに弱いところがあるんです。そこを改善すれば優勝できるでしょうね。

これまでも今田選手は、優勝に届きそうで届かないことがありましたが、ゴルフは最後のひと押しが難しい。以前にもお話しましたが、ゴルフは1ストロークのゲームでもありますし、インチのゲームとも言われています。1インチ、たったの約2.54cm。その2.54cmでも、入るか入らないかでは大きな違いがあります。この1インチが勝つか負けるかを決める差だと思うんですよね。この差を埋めるものは技術です。もちろんパッティングの9割はメンタル面が大きく影響すると言われていますが、いかなる場面においても強い精神力というのは、技術の一つとも言えますからね。そういうシチュエーションで自分のプレーがしっかりできれば、日本の賞金王だけでなく、アメリカでの2勝目もそう遠くはないと思いますよ。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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