終わりなきクラークのパター探求 「ジェネシス招待」で仕入れたギア話まとめ
1月に発生したロサンゼルス山火事の影響を受け、会場を例年のリビエラCCから同じカリフォルニア州のトリーパインズGCに変更した「ジェネシス招待」。難コース対策による選手のクラブ変更や、取材で仕入れたギア話をまとめた。
ウィンダム・クラークがパター探求を継続
ウィンダム・クラークとオデッセイ「ジェイルバード」パターは切っても切れない関係にある。この関係によりクラークは、「全米オープン」とシグネチャーイベント2大会で優勝を遂げている。それでもクラークは毎週、より自分にぴったり合うものを模索するための微調整を続けている。
クラークは「WMフェニックスオープン」にて、「僕は2、3種類のパターを使い分けているんだ。全米のパターはグリップが太めでドットが3つ入っていて、ドットの入っていないものは細めのグリップ。これは単にそういう作りになっているだけで、(優勝した2024年の)ペブル(ビーチ)ではこれでパットが最高だった。あれ以来パターは替えていないんだ」と述べた。
しかし、パター探求はそこで止むことはなかった。「ジェネシス招待」にて、クラークはオデッセイ「Ai-ONE ミルドクルーザー ジェイルバード ダブルベンド バーサ90」を使用しているところを目撃されている。これはクラークがいつも使用している白黒のジェイルバードと比較すると、色の組み合わせがネイビーブルーとシルバーで90度反転している。
オデッセイのツアーレップ(用具担当)、コディ・ヘイルはPGATOUR.comに対し、「ミルド バーサ90はアライメントが反転しています。つまり、シルバーのフレーミング用ストリップがターゲットに向けて配されているのです」と述べている。
「Aiミルドのインサートは感触が少し異なっており、マイクロヒンジやAiホワイトホットに比べると少し硬めの打感になっています。彼の使用するオリジナルのマイクロヒンジ版ジェイルバードよりも硬く、出球は少し速めです」
硬めのインサートは、コンディションのため通常よりやや遅めとなったトリーパインズのポアナ芝のグリーンでクラークの助けとなり、彼はストローク・ゲインド・パッティングで6位にランクインし、グリーン上で4.712ストロークを稼ぎ出した。2024年の同スタッツ19位のクラークにとって、グリーン上のパフォーマンスでトップ20入りしたのは、これが今季初めてのことだった。
テーラーメイド「Mシリーズ」のMは良きメモリーのM
トリーパインズでの第2ラウンドを終え、これまでで最も気に入ったクラブについて問われたロリー・マキロイは、「多分(テーラーメイド)M2ドライバーかな」と答え、人々を驚かせた。
PGAツアー通算27勝を誇るマキロイは、その輝かしいキャリアを通じて最高のドライバーの使い手の一人となってきたが、選んだクラブは一度も勝利を挙げていないものだった。2016年にナイキからテーラーメイドにクラブを変更した際、初代M2をすぐさまバッグに収めた。この移行により306.8ydで9位だったPGAツアーにおけるドライビングディスタンス(平均飛距離)のランキングを、2016-17シーズンは317.2ydをマークして1位に上げることに成功したのである。
「今でも時折ガレージであのドライバーを見つめ、今でも君のことを使えたらと思うことはあるんだけど、多分、今使うとルール(契約)違反だからね」とマキロイ。
トリーパインズにてMシリーズへの愛を明らかにしたのは、マキロイ一人ではなかった。ここ数週間にわたり色々なドライバーのセットアップをテストしてきたジェイク・ナップは、今季苦しんでいるティショットを改善させるべく、2019年モデルのテーラーメイド「M5ドライバー」を持ち出してきた。
ナップはGolfWRXに対し、「自宅へ戻ってアーカイブを漁り、ドライバーが上手く打てていた古いドライバーを探してみたんだ」と述べた。
2019年にナップはQスクールを経てPGAツアーカナダのシード権を獲得すると、その後に2勝を挙げ、米下部コーンフェリーツアーの出場権を獲得した。ナップが得ようとしているのは、正にその調子である。今では6年物となるM5ドライバーは、テーラーメイドの「逆Tトラック」ウエートシステムにより調整の幅が向上し、ドローあるいはフェードだけでなく、弾道の高さも打ち分けられるようになっている。
2025年を通じて、ナップはPXG「ブラックオプス 0311 ツアードライバー」、テーラーメイド「Qi35 ドライバー」、そしてこれからタイトル防衛に臨むことになる「メキシコオープン」で優勝した際に使用したピン「G425 LSTドライバー」を試してきた。ナップはツアー最難関ともいえるドライバーの試練となったトリ―パインズでの週で、ストローク・ゲインド・オフ・ザ・ティのランキングを5位とした。親しみのあるコースへ親しみのあるドライバーを伴って移動することに、気を良くしていることだろう。
優勝に貢献した新グリップが万人向けに
トリーパインズでの1月中旬「ファーマーズインシュランスオープン」を制覇し、非公式のディフェンディングチャンピオンとして今大会に臨んだハリス・イングリッシュは、オープニングラウンドでの3オーバー「75」から盛り返し、24位タイでフィニッシュした。今季序盤のイングリッシュによる勝利は、グリップを新しいゴルフプライド「アライン マックス」に替えてのものだった。グリップの突起部が前作より25%高くなりつつ拡張されており、スイングを通して手の位置とクラブフェースの位置への意識が一定するようになっている。この新グリップは、優勝に繋がったテクノロジーを活用したい全てのゴルファーに向けすでにリリースされている。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)