ザ・プレーヤーズ選手権<テレビ放送予定>
2022年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:03/10〜03/13 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)
「プレーヤーズ」注目選手分析 なぜかタイトルが遠い元世界1位は
◇米国男子◇ザ・プレーヤーズ選手権 事前情報◇TPCソーグラス(フロリダ州)◇7256yd(パー72)
10日(木)に開幕する“第5のメジャー”。TPCソーグラスで金色のトロフィーを手にするのは、果たして誰だろうか。PGAツアーのライター、マイク・マクアリスター氏が分析した。実はここ8年の優勝者のうち5人はキャリアで一度でも世界ランク1位になったことのある選手だが、今年もスタジアムコースが彼らを悩ませることは疑いようがない。
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“本命”の5選手
一般的な解釈では、スタジアムコースには「どんなプレースタイルがフィットするか」という決まりがない。ロングヒッター、ショートヒッター、ショットメーカー、パット巧者…いずれも誰が有利かとは言い切れないのである。大会が開催される週に、彼ら自身のゴルフが噛み合えば、TPCソーグラスは“ご褒美”をくれる。それでも、とくに以下の5人は例年当地で安定して好成績を残してきた。
◆ジェイソン・デイ(オーストラリア)
2016年大会を制した彼は過去に10大会に出場し、トップ10入りが3回。16年以降は、フィールドでベストの通算36アンダーを記録している。
◆ジャスティン・トーマス
21年大会で優勝する前の好成績は16年の3位タイと2018年の11位タイ。昨年は36ホール終了後7打のビハインドをひっくり返した。決勝36ホールのスコアはトーナメント記録に並ぶ「64」「68」でトータル「132」だった。
◆ジョン・ラーム(スペイン)
大会の優勝こそまだないが、19年には12位タイ、そして昨年9位タイだった。この3年でトップ15入りを複数回果たしている選手はほかにブライアン・ハーマン(2019年8位タイ、2021年3位タイ)がいる。
◆セルヒオ・ガルシア(スペイン)
ラームの同胞ガルシアは長きに渡って安定した結果を残している。21大会に出場しトップ10入りが7回。08年の優勝と07年、15年の2位を含む。
◆キム・シウー
17年に大会最年少優勝を達成。最終日にノーボギーでラウンドした当時はまだ21歳だった。昨年9位タイでフィニッシュ。16年以降、バックナインでは通算26アンダーを記録している。これを上回るのはダスティン・ジョンソンとジェイソン・デイだけだ。
マキロイの成功と失敗
ロリー・マキロイ(北アイルランド)はTPCソーグラスでの「成功か失敗か」の理論を良く物語っている。初出場から3大会は予選落ち。その後の3大会ではトップ10フィニッシュを果たし、その翌年にはトップ15入りした。
そして21年までの直近3大会では、予選落ち、優勝、予選落ち。昨年は疲労とスイングに問題があった。「もっと積極的なプレーが必要だ」とマキロイは言う。「(5月ではなく)3月のほうが簡単かどうかはわからないが、状態は好きだ」
悩めるDJ
元世界ナンバーワンのダスティン・ジョンソンのプレーを分析するのは難しい。ポジティブな側面はTPCソーグラスのバックナインを攻略していること。16年以降、通算31アンダーを記録し、同期間で他のどの選手よりも良いプレーをしている。
また、同年以降の60台での8回のラウンドは最多タイ(キーガン・ブラッドリーとイアン・ポールターと並ぶ)。19年に彼は1997年のスティーブ・エルキントン以来、初めて4日間を通じて60台でラウンドした。なお、エルキントンはその年、大会記録となる7打差をつけて大会を制した。
しかし、ジョンソンは優勝を手にできなかった。通算13アンダーは優勝したロリー・マキロイと3打差の5位タイ。そして、この成績はプレーヤーズで唯一のトップ10である。トップ20入りを数回しているが、ツアー通算24勝の彼のキャリアを持ってしても、TPCソーグラスでは優勝争いをしたことはほとんどない。
実際のところ、TPCソーグラスから少し離れた場所ではより良い成績を収めている。コースタル・カロリーナでの学生時代、ジョンソンはソーグラス・カントリークラブの近くでヘイト(Hayt)という学生大会でプレーし、3年連続3位でフィニッシュしている。
2020年にフェデックスカップで年間王者に輝き、メジャー2勝、世界ゴルフ選手権6勝、さらには最優秀選手賞を2度受賞しているが、ジョンソンはキャリアでまだやり残した仕事があるのはわかっている。プレーヤーズのタイトル奪取はもちろんそのうちの1つだ。「プレーヤーズに来るのはもちろん楽しみ。大きな大会で、第5のメジャーだと僕らは言う。出場選手も素晴らしいし、とにかく会場が最高だ」
17番パー3とチャンピオン
最終的に優勝する選手が、その週にアイランドグリーンが待ち受ける17番(パー3)で池に入れることはほとんどない。Shot Linkが設置された2003年から17番で池に入れたにもかかわらず、プレーヤーズで優勝したのはわずか3人である。12年のマット・クーチャー(初日)、18年のウェブ・シンプソン(初日)、そして昨年の優勝者のジャスティン・トーマスだけ。昨年、トーマスのボールは初日の17番で池に入った35球のうちの1つだった。
トーマスは昨年の17番での池に入った球についてこう語っている。「他のグリーンと比べるとものすごく硬い。2番ホールで、5Iで打ったショットが5mくらい転がって止まった。17番ではウェッジで4m以上転がったんだ。腑に落ちないよ。あのホール以外のグリーンには一貫性があるのに」
「少し硬いのは言うまでもないけれど、たしかにグリーンの中央部分が緩やかに盛り上がっていて、そこに落としたらグリーンが軟らかくても戻ってきてしまう。ファンからのアドレナリンで打ち上げた高く打ち上げたボールは、ピン横に落ちて、水の中に転がり落ちる。僕がやったようにね」