「いつになったらパターを戻すの?」15歳に導かれたトーマスの9バーディ
2021年 ザ・ノーザントラスト
期間:08/19〜08/22 場所:リバティーナショナルGC(ニュージャージー州)
トーマスが「ザ・ノーザントラスト」で旧パターに回帰
ジャスティン・トーマスはPGAツアーで14勝を挙げている。その14勝のうち、2017年「全米プロゴルフ選手権」や3月「ザ・プレーヤーズ選手権」を含む13勝で同じパターを使っている。そのパターとはスコッティキャメロン ファントムX 5.5である。
ジュニアゴルファーの質問が復縁のきっかけ
彼はこのパターを使い続けるべきだった、と言うのは理に適った物言いではなかろうか? そう、これは歯に衣着せぬ15歳のゴルファーも思ったことだったのである。
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事の発端は、トーマスが「スコットランドオープン」にて、使用するパターをファントムX 5.5からファントムX 5ナックルネックプロトタイプに乗り替えたことだった。
結果的に本鞘に収まったトーマスにとって、これは何も、愛するパターとのうれしい復縁のためのお試し別居や、見返りとして何か見込みのなさそうなきっかけをつかむ狙いがあったわけではなかった。復縁は前述の15歳のゴルファーが取り持ったのである。
「ザ・ノーザントラスト」のオープニングラウンドで8アンダーをマークしたトーマスは、彼の相棒がいかにして今週彼のバッグに戻ったかについての素敵な話を聞かせてくれた。
トーマスは記者たちに、彼がAJGA(全米ジュニアゴルフ協会)の大会である「ジャスティン・トーマス ジュニア選手権」でルイビルの自宅に戻った際、15歳のジュニアゴルファーに、トーマスの使用していたパターについて、まだX 5ナックルネックプロトタイプを使っているのか質問されたことを話した。
付け加えておくと、どうやらそのジュニアゴルファーは、昨年発売されたスコッティキャメロンの“ジャスティン・トーマスによりインスパイアされた”ファントムX 5.5を使用しているようだった。何はともあれ、その質問とその少年の手にしていたパターを目にしたことがきっかけで、トーマスの中で歯車が動き出したのである。
「僕は(パターを新しくした)理由を説明していたのだけど、彼は、じゃあいつになったらまた(元のパターを)使い始めるの?って聞いてきたんだ。それで、気づいてみたら、僕は15歳相手に自分を弁護するみたいな感じになっていたんだ」とトーマス。
「僕は、なんで自分は(元のパターを)使っていないのだろうって自問したんだ。僕は(元のパターで)多くの成功を手にしたんだ。今のパターでパットを入れまくっているというわけでもないんだ」
「パットの調子が良いときは、僕らのようなプロゴルファーであれば何を使ってもパットを入れられるんだ。何と言うか、僕はその言葉に打たれたんだ。この子の言うことはもっともだってね。パターの設計もそこから来ているんだから、もう一度引っ張り出してくるべきかなって。また手にしてみると、見た目は良いし、感触も良かった。また、慣れ親しんだフィーリングが戻ったんだ」
これまでのところを見る限り、これは良い選択だったようである。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)