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最低100万円! 小祝さくらのパターに込められた“北海道愛”

◇国内女子◇NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 最終日(15日)◇軽井沢72G北コース (長野)◇6679yd(パー72)

「『せっかくなら作ってもらおうかな』という軽いノリで」。小祝さくらはオファーの経緯をそう説明したが、提供する側はいたって本気だった。シーズン4勝目をアシストした、今週初投入の見慣れないパター。そこには地元企業の熱意がこもっていた。

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北海道北広島市に拠点を置く株式会社ワールド山内は、山内雄矢社長曰く、「金属製品のデパート」。家電や医療機器から半導体に航空、宇宙開発事業の部品製造に携わるプロ集団だ。工場には他社からの見学のお願いも後を絶たず、経営トップは国内外で事業に関する講演も行っているという。

そんな山内社長は自らもゴルフのトップアマで、長年「本物のパターをつくりたい」という大志を胸に抱いていた。自社製品の製造を本格化させたのが「コロナ禍で時間ができた」昨年から。オリジナルモデルはシニアプロを中心に評判が広まり、7月に「全英シニアオープン」に出場した中山正芳も同社の製品で戦った。

中山同様、北海道出身の星である小祝のプロトタイプの制作は、構想に約2年。フィッティング経験も豊富な社長がプロの動きを眺めて思案してきた。約3週間の製造期間は朝4時に起床、5時半には出社し、ボールを転がしてテストを重ねたという。

ニッケルや鉄鉱石、硫黄、マンガンなどあらゆる材質を調合した特別なステンレス製。インパクトの直後にボールが順回転するように、フェース面は「航空や宇宙製品の技術」を使って削る。ソールは球体加工を施したため、どんなラインでも“座り”がいいのが特長だ。

小祝のモデルに限らず1本「最低100万円」という価格設定は、高額な素材への投資、“完全メイド・イン・ジャパン”の開発費ゆえだが、山内社長の思いは「北海道への恩返し」にある。

「たくさんの問い合わせがありますが、『北海道でなければ買えない』ことを考えてきました。パターを買うために足を運ばれた方には、北海道の食べ物も、お土産も買ってもらえる」。一方で近い将来、北広島市のふるさと納税の返礼品にする構想もある。

ヘッドカバーも道内の皮革製品、馬具用品メーカーであるソメスサドルとのコラボレーションによるもの。黒いグリップには北海道の地形をかたどったマークが刻まれていた。(長野県軽井沢町/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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