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2021年 ザ・ノーザントラスト
期間:08/19〜08/22 場所:リバティーナショナルGC(ニュージャージー州)

「いつになったらパターを戻すの?」15歳に導かれたトーマスの9バーディ

◇米国男子プレーオフ第1戦◇ザ・ノーザントラスト 初日(19日)◇リバティーナショナルGC(ニュージャージー州)◇7410yd(パー71)

「“ベイビー”が戻ってきた」。9バーディ、1ボギーの「63」でジョン・ラーム(スペイン)と並ぶ首位発進を決めたジャスティン・トーマスの手には、慣れ親しんだ相棒「スコッティキャメロン フューチュラX5.5 プロトタイプ」が握られていた。

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パットのスコア貢献度を示す「ストロークゲインド・パッティング」でツアー126位と苦戦が続いていた28歳が別のパターに持ち替えたのは、7月「スコットランドオープン」でのこと。そのまま「全英オープン」、「東京五輪」、「WGCフェデックスセントジュード招待」と国をまたいで戦ってきた。

地元のケンタッキー州ルイビルで過ごした前週に転機が訪れた。自らの名前を冠したジュニアトーナメントでの一部始終を「笑われるかもしれないけど…」と照れくさそうに明かす。

「いつになったらパターを戻すの?」。イベントに参加した男の子から“直球”で質問され、「15歳の少年相手に、必死に自己弁護を展開したよ」。説明を続けているうちに「多くの成功を収めてきたパターを、なぜ僕は使わないんだろう?」と思うようになったという。「なんとなくだけと、ピンときたんだ。『この子の言うことはもっともだ』って」

合計26パットにまとめたこの日の「ストロークゲインド・パッティング」は、フィールド8位の「+2.505」を記録。フィーリングを重んじるスタイルとは裏腹に、完璧なストロークを求めすぎていた自分に気付けたことも大きい。「パッティングでは、ロボットのようになる必要はないんだ」。自戒を込めた言葉には、きっかけをくれた少年への感謝もにじんだ。(ニュージャージー州ジャージーシティ/亀山泰宏)

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