ザック・ジョンソンが2人 フリートウッドには同姓同名の珍事
イーグル量産、上位に躍り出た「最強の1組」
By Craig DeVrieze, PGATOUR.COM
まさにごく普通のプレーヤーによる究極のイーグルだった。
「ジョンディアクラシック」3日目、ショットリンクのタワーに当たって跳ね返ったボールは静かにラフを通り抜け、見事、TPCディアランの5番ホール(パー4)のカップへと吸い込まれた。ダニエル・サマーヘイズはこの時、ハンバーガーのコマーシャルが頭に浮かんだという。
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「(NBAの名選手)マイケル・ジョーダンとラリー・バードが出た昔のコマーシャルを思い出した。“(屋根の)垂木を越えて、バックボードを越えると、(そこにはバスケのゴールの)ネットしかない”ってやつ。知ってる?」と、サマーヘイズ。大会3日目に同組で回ったスコット・ブラウンやジョナサン・ベガス、そして自分が、難しいと思われていたバーディやイーグルを立て続けに決めたことをそう語った。
ブラウンは3日目、10アンダーの「61」と、自身のキャリアではもちろん、今大会のベストスコアを記録。これが後押しとなり、暫定首位のブライアン・ハーマンの通算17アンダー「196」からわずか2打差に浮上し、最終日は最後から2番目の組でプレーする。単独3位のブラウンは、過去に「ジョンディアクラシック」で3連覇を果たしたスティーブ・ストリッカーを1打差で追う。4位タイには、ザック・ジョンソンとウィリアム・マガート、ジェリー・ケリーがつけている。
メディカル・エクステンション(公傷制度)で参戦する試合中、最後から3番目となる今大会に臨んだベガスは、見事なイーグルで通算8アンダーの「63」をマーク。PGAツアーの出場権を再び手にできる好位置につけ、8位タイで最終日を迎える。
サマーヘイズの(パー4の5番ホールでの)驚異的なイーグルは、イーグルの取りやすいパー5の2番ホールに続くもので、6アンダーの「65」で3日目を終えた。
つまり、この3人だけでトータル24アンダー、彼らのベストボールの総数は55と素晴らしい数字を記録したのだ。
「僕らはサクサク進んだって感じだね」と、3日目を振り返るブラウン。パー5の17番では5メートル強のイーグルパットを決めて「59」をマークする可能性もあったが、これは実現しなかった。「僕らはみなバーディを量産し、結果的に大躍進の日になったんだ」。
サマーヘイズのミラクルショットは、いい流れの始まりだった。
同組の快進撃については「笑いあるのみ」と語るサマーヘイズ。「僕たちは、ひどい状況が起きると感じたことが何度もあるから、こういったいい時もあると思うのは実に楽しかったね」。
残り148ヤード、不安定なサイドヒル・ライからの9番アイアンを使ったアプローチについて、ネットに覆われたタワーに当たったことによるトランポリンのような跳ね返りがなければ、ダブルボギーかそれよりもひどい結果になっていただろう、とサマーヘイズは言う。
「にわかには信じがたいほど、実にシンプルだった」と、ベガス。「100万回やって、1度あるかってくらいのショットだ。二度と起こらないかもしれない。ダニエルには、僕がこれまで見た中で最高のイーグルだよって伝えたよ」。
これまでで最高だったこのイーグルが出なかったとしても、この日は特別だったといえる。
「そうだね、彼らは一緒にプレーするのに最高の人たちってことがある」と、ブラウン。「自分がバーディを量産しはじめると、同組のプレーヤーも調子を上げてくるのはボーナスみたいなものだね。誰かがバーディを取ると、僕が次のホールでバーディを取るって感じだ。またとない状態だし、こういったグループでプレーできるのはうれしいものだよ」