かつての新星からスピースに助言 「ただ良いプレーすればいい」
2014年 ジョンディアクラシック
期間:07/10〜07/13 場所:TPCディアラン(イリノイ州)
「ジョンディアクラシック」で復活を遂げるZ.ジョンソン
By Craig DeVrieze, PGATOUR.COM
ザック・ジョンソンにとっての「ジョンディアクラシック」は、(イライラを減らし、集中力を高める)ビタミンBの注射みたいなものだ。
今年5月中旬以降の5試合でトップ20入りを逃しているジョンソン。フェデックスカップのランキングでは17位、世界ランキングでは16位の彼は今大会初日、序盤8ホールだけで6バーディ、さらに11ホール終了時点で8バーディとし、通算8アンダーの「63」でホールアウトした。
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この結果、ジョンソンは午前中の試合を終えた時点で3人の首位タイのうちの1人に。初日終了時点でジョンソン、ロリー・サバティーニ、ブライアン・ハーマンの3人が首位に並んでいる。
一方、2004年の「全英オープン」覇者で、クワッドシティーズ(米アイオワ州とイリノイ州の州境の地区)近郊で育ったトッド・ハミルトンは、やや復調の兆しを見せた。ウェブドットコムツアーの9試合中7試合で予選落ちを喫したあと、今季初のPGA参戦となった今大会では、7アンダーの「64」をマーク。彼は初日を終え、スティーブン・ボーディッチと4位タイにつけている(初日終了時点ではウィリアム・マガートも4位タイ)。
今大会の会場のTPCディアランは、ジョンソンにとって、近年では自分の庭といった存在だ。2012年の本大会を制し、昨年はプレーオフの末、ジョーダン・スピースに敗れた。そのほか2009年大会は2位タイ、2011年は3位タイで終えている。
昨年のプレーオフでの敗北はしかし、シーズン後半「BMW選手権」でのプレーオフを制しての勝利を含む、8試合中7試合でのトップ10入りの発奮材料となった。ジョンソンは再び勢いを付けようとTPCディアランに戻り、見事に実現した。初日のスコア「63」はここ12試合で最もロースコアで、彼の故郷アイオワ州シダーラピッズから車で90分のところ(にあるTPCディアラン)で成し遂げた。
「ここに来る前の数週間は、ちょっとイライラしがちだったと思う」と振り返るジョンソン。「ハートフォード(トラベラーズ選手権)では(予選通過ラインから)35打くらいオーバーした感じで、決勝ラウンドに進めなかった。また『全米オープン』では予選を突破したけど、その後は非常につまらない、ひどいプレーだった。ちょっと疲れ切っていたんだと思う」
もっとも、彼の場合は2週間の休暇が疲労回復に一役買ったようだ。今大会への参戦で“つまらないゴルフ”に決別したわけだが、それは初日の序盤11ホールを見れば明らか。11番目のホールとなる2番(パー5)でバーディを獲った後、2010年の本大会初日でポール・ゴイドスが出したスコア「59」に並ぶことも考えたという。「でもそんなことは、すぐに忘れてしまった」とジョンソン。「『61』や『58』、または『60』や『59』など、特定のスコアを出すべきだとは言いたくない。でも(『59』を出す)チャンスはあったさ」。
とはいえ、ここでのジョンソンが優勝争いという“指定席”にいるのは確かだ。
今大会への参加に際し、“征服”の必要を感じるかと尋ねられたジョンソン。彼はこれに対し、ユニークな切り返しを見せた。「“征服”か。それはここでは大げさな言葉だね」と、ジョンソン。「僕は自分のことを、皇帝とか似たような存在だとは思ってないから」。
だがこの質問をした人が指摘したように、ジョンソンは本大会のスコアボードに名前を連ねている。
「それはいいポイントだ」と、ジョンソン。「でも僕はチェアマンじゃない」
今は“まだ”というところか。