大舞台ごとに増していく「20歳」の存在感
2014年 ザ・プレーヤーズ選手権
期間:05/08〜05/11 場所:TPCソーグラス(フロリダ州)
J.ローズの2打のペナルティは映像判定で取り消し
2014/05/12 13:27
PGAツアーオフィシャルは、「ザ・プレーヤーズ選手権」3日目のラウンドでジャスティン・ローズに科された2打の罰則について、最先端映像技術を用いて検証した結果、ペナルティに該当しないとして、罰則の取り消しを発表。
今回の裁定は、今シーズンから新たに制定された規則18-4に該当するもので、先端技術を用いた判定システムにより、選手に罰則を科すかどうかが判断される。ローズ本人には、(最終日の)ティタイムだった午後0時35分(米国東部時間)前に今回の罰則取り消しが通達された。同規則が適用されたのは、今回が初。
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「最終的な判断には納得したよ。ルールに則ってプレーしたいからね」と、ローズは最終日のスタート前にPGATOUR.comにコメント。
「昨日の夜、規則について書かれた記事を読んで、それから考えていた。ただ、選手としては、ボールが動いたかどうかわからない状態であれば、動いていないと考えてしまうもの。記事を読んだ時は頭をかきむしって、まさしく自分に起こった出来事と声に出してしまったほど。結果的に2打の罰則は取り消されたけれどね。きっとルールを制定しているUSGA、R&A、PGAツアーは、夜遅くまで議論していたのだろうね」と、続けた。
結果として、ローズの3日目のスコアは「73」から「71」に修正され、首位と7打差からではなく、5打差で最終日をスタートした。
PGAツアーは今回の罰則取り消しについて声明を発表。以下がその内容(抜粋)。
「ルール委員会は、今回の件を再度協議し、最先端の映像技術を駆使して選手に罰則が科されたかどうかを話し合いました。映像を見直した結果、ボールが実際に動いたかどうかを判断するには、最先端の映像技術を利用するしかないと判断しました」。
規則18-4は、ボールが動いたと裸眼で認識できない場合、HDTVなどの最先端映像技術を用いて確認するもので、選手にはアドレス時にボールが動いた場合に科せられる規則18-2は適用されないというもの。
ローズは3日目の18番ホールのグリーン奥の位置からチップショットを放つ前、アドレス時にボールが動いたと判定され、ラウンド終了後に罰則が科された。ローズ本人はボールが動いたという認識を持たず、同組だったセルヒオ・ガルシアにも意見を求めた。ローズはグリーン隣にある機材でプレーを見直し、そのままプレーを続行。
3つの異なる映像を30分以上かけ、ズーム機能などを駆使して見直した結果、大会オフィシャルはボールがわずかに動いたと判断。
ローズには規則18-2が適用されると判定され、アドレス時にボールが動いたことで1打、そしてボールの位置を戻さなかったことで1打の罰則が科された。
だが、ルール委員会が最終日の午前7時30分にTPCソーグラスに到着すると、45分の話し合い後、オフィシャルは午前10時にR&AとUSGAに助言を求め、それから1時間後、ローズへの罰則を取り消すと発表された。
もう少し早く罰則取り消しという判断が出来なかったのかと問われたPGAツアーのルール&競技部門副部長のマーク・ラッセルは、「その可能性もあった」と返答。
「非常に複雑な問題だった。あまり起こるようなケースではない。大事なのは、正しい判断をしたということ。それが何よりも重要」と語った。
ローズは最終日のフロント9で3バーディとスコアを伸ばし、一時は首位と2打差にまで猛追。だが、バック9では10番から12番まで連続ボギーを叩いてしまい、優勝争いから後退した。
それでも最終日に「69」を記録し、通算10アンダーの4位タイで今大会を終えた。
「本来なら同組で回るはずの選手達よりも1時間半早くスタートしたから、変な感じだったよ。良いスタートを切れたし、折り返し地点までに10アンダーまでスコアを伸ばせたからね」。
「それまでは良い感じでプレー出来ていたし、追い上げられて良かった。ただ、昨夜に発覚したことで得られた機会だから、運に恵まれたのだと思う」。