「AT&Tナショナル」は、54ホールを終えた時点で4選手が首位タイに並んでいる。しかし、最後の18ホールで何が起ころうとも、真の勝者はコングレッショナルCCであるに違いない。

この会場で「全米オープン」が開催されてから2年が経つが、今週のスコアを見るまでそのことを忘れていたのではないだろうか。会場から最寄りの地下鉄の駅までは数マイルの距離だが、この3日間コングレッショナルでは事故が続出している。

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最終日を前に、アンダーパーのスコアを有しているのは僅か26人。ジェイムス・ドリスコル、ビル・ハース、ロベルト・カストロ、そしてアンドレス・ロメロの4人が、7アンダーで首位タイに並んでいる。

この土曜日は、それぞれにとって不気味で波乱に満ちた1日だった。

ハースは9つのバーディを奪ったが、トリプルボギーに3つのボギーも叩き、パーは僅かに4つ。3アンダーの「68」でラウンドした。ハースはこの日、雨のため前日からサスペンデッドとなった第2ラウンド後半の9ホールを朝に終え、その後第3ラウンドをプレーしていた。「今日は確かに6?8アンダーを出せる日だった」とハース。「しかし、パッティングが冴えなかったら4?6オーバーにもなり得る日だった」。

ロメロは、ハースがトリプルボギーを叩いた11番でやはりダブルボギーを叩いたが、フロントナインで4つのバーディを奪った。

ロメロと共にラウンドしたカストロは、序盤の3ホールで計3オーバーと苦しいスタートとなった。パー4の3番ではドライブをバンカーに打ち込んでボールを見失い、アンプレヤブルを適用した末にダブルボギーを叩いた。しかし、カストロが苦しんだのは序盤だけだった。カストロはその後、最終3ホールで2つのバーディを奪うなど、この日計4つのバーディを奪い挽回した。しかし、彼が今日見せた一番のベストショットは、何とかパーセーブした一打だった。

結果的に、それはとても大きな一打となった。パー4の18番で池に打ち込んだカストロは、首位陥落の危機に瀕した。しかし彼は、その後グリーンに乗せるナイスショットを見せると80フィートのチップインを決め、この日「71」をマークしたのだった。「ボギーを叩かなかったのは大きかったよ」とカストロ。「パーは充分な結果だね。この4日間、どの選手にも厳しい状況が訪れると思うよ」。

5つのバーディと2つのボギーを記録したドリスコルは、比較的安定したラウンドとなった。ドリスコルは「68」をマークし、ここまで3ラウンド全てで60台のスコアを出した唯一の選手となった。「先週まではあまり良いプレーができていなかったので、期待していなかったんだけど」とドリスコル。「試合中に必要のことのひとつは、ときに何も考えないことだね。完璧なゴルフではなかったが、必ずしも完璧なゴルフをプレーする必要はない。忍耐強くプレーし、良いパットを打ち、良いショートゲームをプレーできれば勝機は見えてくる。今週はまさにそんなゴルフをしようと考えてプレーしているよ」。

一方でハースは、やや異なる見解を示した。「自分のプレーについて、ポジティブに考えて、良いプレーをすることを心掛けるしかないと思ったよ」。「明日は、悪いプレーよりも多くの良いプレーができると良いね」。

明日の最終ラウンドは、夕方から悪天候が予想されているため、予定されていた時刻より早いスタートとなる。3人一組のグループで8時30分からスタートし、最終組は10時30分にスタートする。

これまでのところ、多くの選手がコングレッショナルに大苦戦している。そしてそれは、さほど問題ではない。本日スタート時点でカストロと並び首位だったジョーダン・スピースは、この日「74」でラウンドし順位を落とした。しかし19歳のスピースは首位とはまだ3打差であり、優勝争いから脱落したわけではない。

このコースにおいて3打差はいつでも挽回できることは、ハースとカストロがこの日証明している。ハースは11番で池に落とし、トリプルボギーを叩いた。このホールまで8アンダーで首位を走っていたが、危うく優勝争いから一気に脱落しそうになった。「バックナインでは、一体どうなってしまうのか本当にわからなかったよ」。

しかしハースは、11番の後の4ホールで3つのバーディを奪い、優勝争いに残った。「厚いラフと細いフェアウェイが多いこのコースでは、ドライブでミスをするとどのホールでもボギーを叩きかねない」ハースは続けてこう話した。「グリーンは充分に柔らかいので、逆に良いドライブを打てば、自ずと良いスコアが出せるはずだ」。

序盤の不安定なプレーから立ち直り、最終的には首位を保ったカストロもまた、3打差を挽回した。「自分が脱落したとは考えなかったよ」とカストロ。「このコースはとにかく難しいんだ。3オーバーしたところで、大きく引き離されるわけじゃない。他の選手達もどこかで厳しい場面に直面するからね」。

日曜日の最終ラウンドでは、誰が最も上手く波に乗れるかに注目が集まる。