石川遼、米ツアー本格参戦初戦にも「特別な感情はない」
2013年 ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション
期間:01/17〜01/20 場所:PGAウェスト(パーマーコース)(カリフォルニア州)
ミケルソンが砂漠の地でシーズンをスタート
By Helen Ross PGATOUR.COM
フィル・ミケルソンは今週、落ち着いた日々を過ごしていた。自身22回目となる米ツアーのシーズン開幕を迎える「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」に向けて準備を整えていたのだ。
自身のウェブサイト(www.philmickelson.com)によると、メジャー4勝の実績を持つミケルソンは先週、インフルエンザのような発熱と闘っており、予定されていたバッチ・ハーモンとの2回にわたる練習セッションのキャンセルを余儀なくされたばかりか、砂漠の地への到着も遅れることになった。それでもなんとか水曜日の午前中にはトーナメントへの登録を済ませ、大会が幕を開ける木曜日、東部時間の午後12:10(西海岸時間9:10)には、ラ・キンタカントリークラブの1番ホールからスタートを切る予定となった。
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現在は世界ランク19位に落ち込んでいるが、サンディエゴ出身のミケルソンは大会中、注目の的となることだろう。ミケルソンはかつて「ボブホープクラシック」もしくは「ウェストコーストスウィング」と呼ばれていたこの大会を語るうえでは欠かせない存在である。
なぜなら、ミケルソンは過去に2度、この砂漠の地からシーズンを開幕し、勝利も収めているからだ。これまでに積重ねた通算40勝のうち、実に18勝はツアーがフロリダへ移動する前の2ヶ月の間に、カリフォルニアもしくはアリゾナにて挙げたものである。さらに、過去の「ヒュマナチャレンジ」での獲得賞金総額でミケルソンはトップで、計200万ドル以上を稼ぎ出している。
ミケルソンは今週の大会を手始めに、今後5週連続で試合に出場する予定だが、なじみのある地で勢いをつけて、幸先よくシーズンをスタートしていくためのきっかけをつかみたいところ。中でも3週間後の「AT&Tぺブルビーチナショナルプロアマ」は、自身40勝目を飾った大会であり防衛戦となる。
人気者のレフティは、昨年モントレー・ペニンシュラでの大会を終えた翌週、プレーオフで敗北を喫した。その後、「マスターズ」を含む2試合で4位以内に食い込んだのだが、続く10試合中9試合で25位以下になるなど、泥沼にはまってしまった。
しかしフェデックスカップのプレーオフで調子を取り戻し、シカゴでは4位、インディアナポリスでは2位となった。そして「ライダーカップ」では3-0-1と善戦し、昨年最後の出場試合である「WGC HSBCチャンピオンズ」では2位に食い込み、2013年シーズンへの手ごたえをつかんだ。
「ライダーカップに向けて週ごとに調子をあげていった」と、彼は月曜日に電話取材に答えてくれた。「あれがあったから、今シーズンにむけてとてもワクワクしている。昨年あのようなタフな経験がなかったら、このように感じることができなかっただろう。あれがあったからこそ、試合の中での確認ポイントを見直すことができたと思う」
そしてもうひとり、シーズン開幕直後に勢いに乗る傾向にあるのが、マーク・ウィルソン。昨年のヒュマナチャレンジで、2日目に自己記録となる「62」で首位に立ち、最終的に2打差で優勝を飾った。その優勝はウィルソンにとって通算5勝目であり、そのうち、2011年と2012年の2シーズンで、シーズン序盤の5週目までに優勝したのは3度を数える。
そして最も勢いがあるのが、ラッセル・ヘンリー。前週「ソニーオープンinハワイ」では、最終日の終盤5ホールで連続バーディを奪い、優勝を飾った。4日間トータル256、うち3日間は「63」という成績。これは米ツアーの歴史の中でも、パー72のコースにおいて史上3番目の好成績であった。
ジョージア出身のこの23歳は水曜日に「先週のようにしっかりと休憩をとることができなかったので、も一晩良く眠ることができれば良い結果につながると思う。しかし、まだまだアドレナリンがでているし、試合に向けて本当にワクワクしている」と語っている。
今大会にはフェデックスカップの前回優勝者であるブラント・スネデカーも出場予定。53週前に「ファーマーズ・インシュランスオープン」で優勝し、そこから怒涛の勢いでフェデックスカッププレーオフのボーナス1000万ドルにむかっていった選手である。スネデガーにとって、ヒュマナチャレンジは4年連続での参戦となるが、今シーズン開幕戦となる「ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ」を3位で終えており、勢いにのって試合会場に入る。
初日から3日目にかけては、TV司会者のカーソン・デイリーや歌手のマイケル・ボルトン、アリス・クーパー、俳優のクレイグ・ネルソンやピーター・ギャラガー、そしてマーシャル・フォーク、エリック・ディッカーソン、そしてオジー・スミスといったアスリートが参加予定。最終日はプロ選手のみのプレーで大会が締めくくられる。
ウィルソンは、「以前5日間で行われていた大会が、4日間に変更されたことは好都合。前の週にハワイでの大会を戦って移動距離が長いため、1日余分に試合の準備をできるのは大歓迎」と語っている。
そして更に、こう続けた。「12月にビル・クリントン元大統領に会って話をする機会があった。彼は以前ティム・フィンチェムと話をしたときに、ボブ・ホープの遺志を引きついでいくためには、何をすべきだろうかという話をし、この大会ではプロに配慮をしなければいけないと言っていたと教えてくれた。プロの選手に5日間プレイしてください、3人のアマチュア選手と同じ組でプレイをしてくださいとは言えないよ…と言っていたんだ」
「そして、普段人々が見落としてしまいがちな選手の生活にまで、クリントン氏が理解を示していることにとても感銘を受けた。PGAツアー、ヒュマナ、そしてクリントンファンデーションはそこに配慮をしてくれている。参加したいと思わされるよね」
昨年の大会で、初日に首位タイ、2日目に単独首位に立ったデビット・トムズもまた、以前は3人のアマチュア選手とプレイしていたのが、初日から3日目まで各日1人のアマチュア選手とプレイすることになったという変更点を歓迎している。このやり方だと、それぞれの組に別のプロがいることになるためだ。
トムズは、「これで少し集中しやすくなる。そして、より通常通りのイベントのように感じることになる。選手を取り巻く環境を少しずつ良くしようとしているのを感じる。今のところ、みんなにとって良い組み合わせだと思う」と語った。