松山英樹が19年初戦へ アマチュア・金谷拓実は米ツアーデビュー
2016年 CIMBクラシック
期間:10/20〜10/23 場所:TPCクアラルンプール(マレーシア)
米ツアー4年目「目標は考えない」松山英樹、新シーズンを2位で開始
◇米国男子◇CIMBクラシック 最終日(23日)◇TPCクアラルンプール(マレーシア)◇6951yd(パー72)
4年目のシーズンもきっと飛躍する。そう期待させる戦いぶりだった。首位に5打差の14アンダーの4位タイから出た松山英樹は6バーディ「66」をマークし、通算20アンダー。優勝スコアに3打届かなかったが、自身の今季初戦で単独2位フィニッシュを決めた。
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トップと5打差で迎えた最終ラウンドは序盤、3番(パー5)で「9」を叩いたアニルバン・ラヒリ(インド)の後退で、突如混戦となった。入れ替わってトップを走ったのは4打差から出たジャスティン・トーマス。それを7番ホールで知った松山は、高揚も動揺もなくプレーを続けた。
「ジャスティンはきのうの上がりが良かった(5連続バーディフィニッシュ)。このコースなら4連続バーディもすぐに来る。良い勝負になるはずだと思っていた」。トーマスのコースとの相性と持ち前の爆発力は把握済み。2位タイのポジションで猛追の流れを待った。
戦況は見立てた通りだったが、2番でバーディを先行させた後の2連続パーに口惜しさがにじむ。3番(パー5)では1Wでロングドライブを見せて2オンしたが、3パット。4番は3mのチャンスを決めきれなかった。「そこは痛かったなと思う」。その後も惜しいパットが続き、9番ではグリーン上で膝を折って悔しがった。結局8バーディ「64」をマークしたトーマスに大会連覇を許す結果に。「あそこまで行かれると、いまの僕の調子では難しかった。さすがにきょう(逆転優勝となる)10アンダー出せる力はなかった。ショットも、パットも」と勝者をたたえた。
優勝した前週の「日本オープン」からの連戦、高温多湿の気候にもめげず、2016―17年シーズンの自身最初の試合で2位に入った。「勝てなかったら、出し切った気持ちはないですよ」とうつむいたが、ボギーをたたく様子もないまま2連続バーディで締めくくり、地力を見せつけ「悪くないと思う。もうちょっとレベルアップをしていけたら」と手応えもある。
本格参戦4年目の目標は「何も考えてないです。立てるのがあまり好きじゃない」と言った。「どの試合に出ようが、勝ちたいのは間違いない。でも、そう簡単にはいかないから、こうやってチャンスをどんどん増やしていくのが大切」。目先の1打、1勝、そしてメジャー制覇というターゲットへの視線は今季もブレていない。
次週は中国・上海で開催される「WGC HSBC選手権」に出場。過去3回の出場で途中棄権が2回という“鬼門”を「コースの相性も、ここよりは嫌いじゃない。こことは逆で成績が伴わないんですよねえ」と不思議がる。「体調管理をしっかりします。ケガをしなかったら大丈夫」。自然と出た言葉の端々には、風格が漂った。(マレーシア・クアラルンプール/桂川洋一)