逃げるデイ…今季初勝利に王手 松山英樹は18位
2016年 アーノルド・パーマー招待
期間:03/17〜03/20 場所:ベイヒルC&ロッジ(フロリダ州)
難しきもまた楽し 松山英樹、雨中の心模様
フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開催中の米国男子ツアー「アーノルド・パーマー招待」3日目。5アンダーの16位タイから出た松山英樹は「71」で回り、通算6アンダーの18位タイで最終日を迎えることになった。
ビッグスコアを狙ったムービングデーはトラブルで始まった。1番で大きく左に曲げた1WショットはOBラインすぐそばのベアグラウンドへ。グリーンを目がけた2打目も、前方の木々に阻まれ、結局4オン2パットのダブルボギーとなった。
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ショットが本調子ではなく、前日のラウンド後は、ベイヒル近郊の自宅があるリゾート内の練習場で打ち込んだ。「わけの分からないことになって、なんか良い感じに戻ってきた感じ」という独特の表現を交えた感触は、あやふやなもの。「不安のまま打ったの(第1打のミス)は仕方がない。でもセカンドは普通に(フェアウェイに)出してボギーで良いところ。なんで狙ったのか分からない」と持ち前の冷静な判断力をも鈍らせた。
3番で5mを沈めて最初のバーディ。6番(パー5)は1mのパットがカップの縁をクルリと回って戻りパーとしたが、続く7番(パー3)で3mを決めた。9番ではフェアウェイからの2打目をピンそば1mにつけ、結局ひとつスコアを伸ばして折り返した。
このまま一気にチャージ…と行きたかったところを阻んだのが、午前11時ごろからの雨だった。「後半に雨が強くなって難しく感じた。どれくらい風で持っていかれるか分からない」。連日引き締まったグリーンは雨水を吸収し、ボールが止まるのか、滑って止まらないのか、見極めが困難に。パッティングでも「ラインが合ってもショートしたり、しっかり打ったところはラインが少し違ったり、ちぐはぐな感じがあった」と雨雲を仰ぐシーンが続いた。
伸ばしたスコアは1つにとどまる中、最終日への活力になりそうなのが18番でのプレーだ。グリーン左、左足下がりのラフからの3打目は、奥に池が待つピン方向を狙うのをあきらめ、パット勝負に持ちこむことを選択。「ボールがラフで浮いていたので、(ウェッジが)下を抜けて手前のバンカーに入ることもあると思った」というピンチをくぐりぬけた後、慎重に放った4m強のパットは、下り傾斜で加速しながらカップに滑り込んだ。大拍手に「ボギー、ダブルボギーになっても仕方ないところでパーを取れた」と手を挙げて応えた。
雨水を含んだポロシャツは冷たかった。実はこの日、レインウエアをコースに持ち込むのを忘れてきたという。「あれだけ降ったらいつもは着ますけどね」と苦笑いしつつも「久々の雨だったんで逆に楽しかったです」とケロリ。ショット不振に悩み、アクシデントに遭いながらも3日間連続でアンダーパーを記録している。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)