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米国ツアー初優勝への距離 レベルアップを図る石川遼の分析・検証

解説者アンディー和田の視点

2015年は石川遼にとってプロ8年目。すでに10月からスタートしている米国男子ツアー本格参戦3シーズン目は、真価が問われる大事な1年になるだろう。

2014年を振り返ってみると、米国ツアー24試合に加えて、国内ツアー10試合に参戦。7月「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で飾った2年振りの国内ツアー優勝は見事だったが、年間を通しての安定度は低かった印象が強い。

1月「ファーマーズインシュランスオープン」では7位、3月「アーノルド・パーマーインビテーショナル」で8位という好成績を残した。しかし、それ以降は米国ツアーでのトップ10フィニッシュはなかった。予選落ちは10試合。米ツアーで4日間続けてアンダーパーを記録した試合は僅かに3試合のみで、年間75ラウンド中「75」以上のスコアを叩いたことが8ラウンドあった(「74」までを含めると14ラウンド)。

色々な芝やコース設計に対応できるようになり、グリーン周りの寄せやパッティングは間違いなく粘り強くなり、向上している。対して、ショットの大きな乱れがスコアを崩す原因となり、上位に絡む妨げになっている。

いくつか例を挙げると「ザ・メモリアルトーナメント」では最終日にフェアウェイを捕らえたのが4回のみ(スコア「75」)。「ウィンダム選手権」では2日目に「62」という米ツアー自己ベストを記録したものの、翌日は右にプッシュアウトする球が多く、13番ホールでのOBなどスコアを崩して「78」。順位は7位から68位に急降下した。

ティショットのミスは左右両方

右に曲がるときはプッシュアウトの高い弾道。左に曲がるときは極端な低い球で引っかかる球。英語で「Two-way miss is deadly・・・ 両側にミスが出てしまうティショットは致命的だ」というゴルフの言葉がある。

石川遼 米国ツアー2014年シーズンのショットデータ>
フェアウェイキープ率/53.26%(ツアー169位)
左ラフ率/17.26%(ツアー167位)
右ラフ率/18.44%(ツアー165位)

石川はティショットに4番ウッド(17度)や6番ウッド(19度)を使い、フェアウェイキープに徹するプレーを実践するようになってきたが、やはりまだドライバーショットの安定度が乏しく、ピンを狙うアイアン勝負に持っていくことが上手くできていない。

どの辺りが両方に曲がってしまう原因なのか。ここで、石川のスイングを飛行線後方からのアングルで観察し、問題と思われるポイントを挙げてみよう。

・アドレスとインパクトのポジションを比較
アドレスで構えていたグリップとシャフトの位置がボールを捕らえるインパクトの位置でかなり高くなっている。

・ダウンスイング途中
ハーフウェイバックと呼ばれるダウンスイングのポジションではグリップエンドが低くならず、浮いてしまっていると同時にクラブヘッドが内側インサイドから降り過ぎている。

・フォロースルー
インサイドからクラブヘッドが降りてきて、インパクトポジションでグリップの位置が高いとなると、その結果フォロースルーはクラブのローテーションが激しく、フェースはすぐに閉じてしまう。

長尺ドライバーのままで良いのか?

米国ツアーでも、石川のようなグリップが高い位置でインパクトを迎える選手はいる。成功を収めている選手の代表的な例だと、ルーク・ドナルドや、昨季シーズン3勝を挙げて賞金ランク4位に入ったジミー・ウォーカーだ。

ここで、シャフトの長さに注目してみたい。石川遼が使うドライバーの長さは46インチ。ドナルドもウォーカーも使用しているドライバー長さは44.5インチ。ドナルドは「短か目のドライバーの方が良い姿勢でスイングできるから」とツイッターで教えてくれた。

インサイドからクラブが降りてくると、インパクトポジションでグリップの位置が高くなり、煽り気味で振り遅れる要素が高い。特に体重が右に残ってしまったときは、左脇が緩んでしまい軌道がずれやすい。

長尺ドライバーの方が距離が出ることは魅力だろうが、振り遅れると右へのプッシュアウト、フェースが閉じると左への低いミス。両方のミスが出るというハイリスクを背負ってまで、キャリーが増すビッグドライブにこだわる必要があるのか?

「全英オープン」ではシャフトを変えて45インチのドライバーを試したことがあったが,
シーズン後半はまた46インチに戻している。

セルヒオ・ガルシアは100グラム台のシャフトを使い、43.5または44インチのドライバーを使うという。石川も同じような44インチ前後のドライバーを使用、かつグリップエンドが重くなっているカウンターバランスにすれば、シャフトのバランスポイントがグリップ側に動き、ダウンスイングでグリップエンドが沈むことで安定度が増すのではないか?と私は考えている。

ウェッジ3本設定(PW・50度・58度)の検証

石川遼が現在バッグに入れている14本は下記リンクの通り。

石川遼のクラブセッティング

ドライバーは市販されていない8.5度。ホーゼル設定は (+2/N)で、ウェッジは PW、51.5度(50度刻印)、58度の3本が入っている。

2013年「全米プロゴルフ選手権」では、3番ウッドを抜いてウェッジ4本 (PW・51度・55度・59度)を入れ、シーズン後半戦に向けて良い結果を残したことがあった。現在はまた3本に戻しているが、51.5度から下を全て58度で補うのは疑問が残るところ。ロフト間のギャップ(差)と、高ロフトウェッジの本数の少なさ・・・。ツアーの中でこのような設定をしているのは石川のみだ。フェースを開くなどのテクニックはあっても、プレッシャーがかかったときのショットはロフトに任せる方が効率はいい。

ちなみに、フィル・ミケルソンは56度、60度、64度。マット・クーチャーは52度、58度、62度とし、色々なライや微妙な距離に対応している。

★★★★★★★★

待望の米ツアー1勝を挙げるにはどうしたらいいか?当たり前のことだが まずその優勝争いの場に絡まないといけない。4日間72ホールの競技で、最初の63ホールの相手は常にゴルフコース。最終日の残り9ホールでは、相手を意識しての勝負の駆け引きが必要となるが、アメリカではそんな勝負が1度もできずに2014年シーズンを終えてしまった。

300ヤード以上飛ばすドライバーショットへのこだわり、積極的に攻めるスタイルはコースによって強く要求されることもあれば、我慢と忍耐力でオールドマンパーと戦う地味なプレーを求められることもあるだろう。石川遼が備える、米国ツアーの中で抜き出たショートアイアンの巧さ、グリーン周りの寄せ、滑らかなパッティングタッチを活かすには、どうしてもティショットの安定さが要求される。実際のところ、今のダウンスイングの動きを修正するのは器用な石川でもかなりの時間を要するだろう。

思いきって大手術のスイング改造を試みるか?それとも微調整の繰り返しでタイミングを合わせていくのか。2015年はシーズンを通してどういう意図を持って練習、向上しようとしているかにも、細かく注目していきたい。

<筆者・アンディー和田>

1968年生まれ。14歳で渡米し、南カリフォルニアでゴルフを始めてアリゾナ大学に進学。卒業後の1991年にプロ転向し、アメリカ国内のミニツアーやカナダ・南米・豪州・アジアなど世界25カ国で歴戦。青木功中嶋常幸らの米ツアー挑戦時にキャディーも経験した。2000年からはゴルフチャンネルでトーナメント解説者を担当した。

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