世界各国から強豪が集い凌ぎを削る! 世界過酷なオープン競技を制すのは!?
全米オープンコラム:開催コース/ウィングドフットGCとは
ドローとフェードをうまく打ち分けないとフェアウェイは捕られない!
2006年度の「全米オープン」は、ニューヨーク州ママロネックにある名門ウイングドフットゴルフコース、西コースで行われる。マンハッタンから40キロ北上したところにある1920年代に造られた古いクラシックコースで、設計者は名匠A・W・ティリングハースト。
昨年の全米プロの開催コースのバルタスロールや2002年全米オープン開催のベスページ・パーク(ブラックコース)の設計者でもある。過去このコースでは4回の全米オープン(1929・1959・1974・1984)や全米プロ選手権(1997)ほか全米女子オープン(1957・1972)などが開かれている。 9年前に開催された全米プロ選手権はデービス・ラブIIIが、11アンダーというスコアで優勝を飾っているが、そのときのコースの全長6,987ヤードよりも今年の開催は277ヤード伸びて7,264ヤードとなっている。1997年大会ではタイガー・ウッズは60台を1度も出すことなく通算6オーバーの29位、日本勢では丸山茂樹が5オーバーの23位で競技を終えている。
コースレートはパー70を6.1オーバーする76.1が示すようにコースの難度はかなり高く、優勝スコアは間違いなくオーバーパーになると予想する人も多い。長い間「全米オープン」のコース設定を担当してきたトム・ミークス シニアディレクターが引退をし、今年から新しくマイク・デービスがコース設定の責任者となる。全米ゴルフコース管理協会発表の「全米オープン」設定と芝の説明は下記のとおりになっている。
【詳細データ】
ティグラウンド:クリーピング ベント芝・ポアアヌア芝: 9ミリ
フェアウエイ:クリーピング ベント芝・ポアアヌア芝: 9ミリ
グリーン:ポアアヌア芝: 2.5ミリ (スティンプメーター:12.5フィート)
ラフ:ペレニアル・ライ芝: 10センチ(一番深いラフは15.2センチ)
バンカーの数:68個
コースの改造にかかわったのはモダンゴルフコース設計家で有名なトム・ファジオとトム・マーゾルフ。中でも目立つのは535ヤードから640ヤードとなり106年の「全米オープン」の歴史で一番長いパー5になっている。9番も38ヤード距離が伸びて514ヤードと一番長いパー4になった。全長距離の長さもこのコースを難しくしている要素のひとつだが、ドッグレッグのホールも多く、選手はドローとフェードをうまく打ち分けないとフェアウェイを捕らえるのは難しくなる。その上、なんといってもグリーンの形状と傾斜、そしてグリーン周りのバンカーの配置が選手を一番悩ますだろう。奥から手前の受け傾斜が強い。通常一番難しいピン設定は左右の奥に切ってあるピンとなるが、このウィングドフットは左右手前のピンが一番難しい。手前にピンがあると下りの早いパットが残るケースが多い。チャンスホールは5番、6番、7番の3ホール。この3ホールでスコアを伸ばせないと次の難しい8番、9番、10番でてこずる可能性が高い。
全米オープンは4大メジャーの中で例年一番平均スコアが高く、優勝スコアはイーブンパー前後といわれている。 オールドマンパーとの戦いは強い忍耐力が要求されるが今年の開催コースは特に我慢強くパーパットを粘り強くしのぐゴルファーに栄冠が与えられるだろう。