波乱の「マスターズ」だからこそ生まれた、記録の数々
興奮冷めやらぬザック・ジョンソンの声
ザック・ジョンソン
「今日は、ずっとスコアボードを見ないでプレーしていたので、自分がどのあたりにいるのかは知りませんでした。次に打つ一打に集中して、確実にパットを沈めていけば優勝のチャンスがあるかもしれないと自分に言い聞かせていたのです。キャディにはスコアボードを見ていてくれと言いましたが、なんとなくギャラリーの反応から、良い所にいるなとは感じていました。15番を終えた時点で、キャディがいくつかリードがあると言ってくれたので、大きなミスを犯さずにラウンドを終えれば、チャンスはあると思いました。周囲の状況は知らずに、自分のゴルフだけに集中できたことが良かったのかもしれません。」
記者
「今週、パー5だけで11アンダーをマークしましたが、パー5で2オンを狙わない作戦は、4日間ずっと守り通したのですか?」
ザック・ジョンソン
「今週は、パー5で一度も2オンは狙いませんでした。バッグに入れているクラブを考えると、2オンを狙うのは無理な距離ばかりでした。8番は絶対に無理でしたし、2番はドライバーショットで快心の当たりが出れば別ですが、2オンの可能性はかなり低いと思いました。13番は2オンできる距離でしたが、4番アイアンかそれより短いクラブで打ちたかったので、距離が合わず狙いませんでした。15番は、絶対に無理でした。刻んだ方が、3打目に得意な距離を残すことが出来ましたし、ピンの位置ごとにどうやって狙うか事前にしっかり作戦を練ってありました。手元にあるウェッジの本数も限られていましたが、今週はそのウェッジにあった距離を残して、うまく攻めることが出来ました。」
記者
「あなたは大学時代、ゴルフ部ではエースでしたが、卒業後、プロゴルファーとしての道を歩み始めるに当たり当初は資金難にありましたよね。その頃の自分から、今の成功は想像できましたか?」
ザック・ジョンソン
「まだ、ここで優勝したのが夢みたいで、実感が沸いてきません。ここにたどり着くまでに支えてくれた皆さんの事を考えると、感謝の気持ちで一杯です。1998年にドレイク大学を卒業した当時は、資金源もなく、一文無しでした。その私に知り合いの方何人かが、スポンサーについてくれて、最初はミニツアーで戦えるようになりました。そこで、優勝するようになって、毎年着実に前進していくことが出来ました。自分がスタートした地点を考えると、ここまで上り詰めたことが信じられません。」
記者
「この4日間を振り返ってどうでしたか?」
ザック・ジョンソン
「16番では、最初の3日間ずっと3パットをしてきたのですが、今日はバーディを決めることが出来ました。そういった意味では、最後になってやっと努力が報われた感じです。金曜日のラウンドに3パットをした時は、グリーンの読みも完璧だったし、良いストロークで打てたと思ったんです。入らなかったのは風のせいだったような気がします。最初のパットは、ボールに触っただけと言う感じだったし、2回目のパットはボールがスパイク・マークで跳ねました。あそこで3パットしても、パッティングの自信は失いませんでした。」