セベ・バレステロスの訃報を受けて/樋口久子LPGA相談役
恒例“水切りショット”
元はと言えば、15年前。セベ・バレステロスがリー・トレビノと一緒に練習ラウンドを回っていたとき、16番パー3で数個のボールを使って、池越えのグリーンに向かって“水切りショット”でグリーンオンできるか競い合った。これ見ていたギャラリーは大喜び。以来、マスターズの火曜日は毎年“水切りショット”が行われる日。練習ラウンドで16番を通る時、ギャラリーから大きな歓声があがる。これを無視して通ることは不可能。選手達はファンにせがまれてしょうがなく“水切り”に挑戦する。
まずはホセ・オラサバル。ロングアイアンを使い、挑戦。ボールは池の上を6回跳ねたが、届かず。
ホセ・マリア・オラサバル「ファンからせがまれたらやらないワケにいかないだろう?でもどのボールも池の中。もったいないけど、ファンが喜ぶならそれでいい。」
続いては伝統を作った男、セベ・バレステロスの挑戦。これも届かず。そしてその動向を見ていたマーク・カルカベッキアがコツを掴んだ様子。見事にグリーンオンさせファンは大喜び。
マーク・カルカベッキア「前のみんなのやり方を見ていてコツを掴んだんだよ。4アイアンでフック目に下に打ち付けるように強目に打つんだよ。」
この“水切りショット”大会になると、世界ナンバー1も無関係。池の上を一番多く跳ねたものの、最後に息切れして向こう岸に届かず。一緒に回っていたマーク・オメーラに至っては、池の上を跳ねることもなくポチャン。そして久々の登場で期待のジョン・デイリーは?
ジョン・デイリー「2日間の練習で10回ずつ挑戦したけど駄目だった。いつもは池に入れないようにしているのに、わざと池を狙うなんてやっぱり難しいね。」
ファンにせがまれ挑戦した選手の中で成功したのは、マーク・カルカベッキアとフランク・リックライターのみだった。