野次にキレたホワイトシャーク “サタデースラム”ってなんだ?/全米オープン事件簿@シネコックヒルズ<1986年>
◇メジャー第3戦◇全米オープン◇シネコックヒルズGC(ニューヨーク州)◇7440yd(パー70)
プロとアマチュアの垣根なく“ゴルファー世界一”を決める「全米オープン」が、8年ぶりにニューヨーク州シネコックヒルズGCで行われる。大会を主催する全米ゴルフ協会(USGA)創立時に中心的役割を果たした5クラブのひとつ。1896年の第2回大会をはじめとする過去5度の開催では、後世に語り継がれる“事件”が起きたことも…。名門コースで繰り広げられたバトルを少し斜めから振り返る。
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ホオジロザメを意味する「ホワイトシャーク」の愛称で知られるグレッグ・ノーマン(オーストラリア)。世界ランキング1位に君臨した期間(331週)でタイガー・ウッズ(683週)に次ぐ歴代2位につける名手は、「全英オープン」2勝をマークした一方でメジャーにおける派手な“負けっぷり”もファンの記憶に刻まれている。
1986年は4大メジャー全てで54ホールを終えて首位に立っていたが、タイトルをつかんだのは全英オープンのみ。“サタデースラム”と皮肉られた。4月「マスターズ」はジャック・ニクラスの大会最年長優勝(46歳2カ月23日)の引き立て役に回り、シネコックヒルズでも当時の全米オープン最年長V(43歳9カ月11日)となったレイモンド・フロイドに逆転を許した。
ノーマンはのちにテレビ番組で、最終日のラウンド中にギャラリーの野次に耐えかねて詰め寄ったことを明かしている。「『ヘタクソ』『帰れよ、くそオーストラリア人』『お前はプレッシャーに弱い』とか…。僕はその男のところまで歩いていって、『言いたいことがあるなら、ラウンドが終わって駐車場で僕が反応できる時にしてくれ』と言った。スポーツマンシップに反する行為で、するべきではなかった。でも、我慢の限界だったんだ」
最終日「75」で12位に沈んだプレーは教訓にもなり、約1カ月後にターンベリー開催の全英で遂げたメジャー初制覇へつながったという。「自分自身の感情をコントロールし、外部の雑音をもう少しうまくシャットアウトできるようになった」。ちなみにノーマンは再びシネコックヒルズで行われた1995年の全米オープンでも首位タイで最終日を迎えながら、コーリー・ペイビンに敗れている。