2026年 キャデラック選手権

正直者のキャメロン・ヤング 優勝争いの最中に自らペナルティ申告

2026年 キャデラック選手権 最終日 キャメロン・ヤング
全米プロに弾みをつけた(Orlando Ramirez/Getty Images)

◇米国男子◇キャデラック選手権 最終日(3日)◇トランプナショナルドラール ブルーモンスター(フロリダ州)◇7739yd(パー72)

後続との差は6打あったとはいえ、序盤でペースを失えば何があるか分からない。しかも、同じ最終組にいる1人は世界最強スコッティ・シェフラーキャメロン・ヤングはそんな状況でも、自分とゴルフに正直だった。

18ホールのうち最もやさしい1番(パー5)でバーディを獲り損ねた後の2番。残り159ydの2打目の直前、アドレスをほどいた。「ボールが動いた」。他の誰もが目視できなかったシーンで、自分の動きが球を動かす原因となった可能性があるとして、自らルール違反を申告。規則9.4(※)に基づき、1罰打を加えた。

場内が騒然とする中、3打目でグリーンにのせた。流れが傾きかけない場面で、4mのパーパットをねじ込むと大歓声がこだました。続く3番で3mを沈めてバーディが先行。「球が動いたのを見た瞬間、本当に落ち込んだ。でも確かに動いたんだ。それもゴルフの一部。あの局面で、罰を与えるのは自分しかいなかった」。試合があるときは毎週、地域の教会を探すという敬虔なクリスチャン。ゴルフの神様も正直者に救いの手を差し伸べた。

その後は独走態勢を譲らず、6バーディ、2ボギー「68」で通算19アンダー。後続のシェフラーとの6打差を守った上で、改めてペナルティが逃げ切りのポイントになったと振り返る。「心の準備はできていたつもりだったけど、良いきっかけになった。このコースではリードが消え去るのは一瞬だ。守りに入る理由はない。このコンディションなら8アンダー、9アンダーと出す選手がいてもおかしくなかった。2番は運がなかったけれど、同時に自分のやるべきことを思い出させてくれた」。苦い場面が積極性を保つ良薬になった。

2026年 キャデラック選手権 最終日 キャメロン・ヤング
「ボールが動いた」と申告した2番(Carmen Mandato/Getty Images)

7度の2位の経験を経て、昨年8月の「ウィンダム選手権」で悲願の初優勝。殻を破り、3月の“第5のメジャー”「ザ・プレーヤーズ選手権」を制し、シグニチャーイベント(昇格大会)でも勝った。「1勝するまでにあんなに試合をこなしたのに、ここ最近は本当に恵まれている。1つ勝つと、次がすぐに来やすい。でもゴルフが劇的に変化したわけではなくて、ゆっくり成長している実感がある」と胸を張る。

4月の「マスターズ」では3位だった。2週後には「全米プロゴルフ選手権」(ペンシルベニア州アロニミンクGC)がある。「いい弾みになる。目標はとにかく優勝できるポジションに自分自身をできるだけ多く置くこと。素晴らしいプレーでまさに“僕の日”だというプレーができる日曜日もあれば、不思議なことが起こって勝ちが転がり込んでくることもある。そういうポジションにい続けたい」。メジャータイトルのチャンスは日増しに大きくなっている。(フロリダ州ドラール/桂川洋一)

※ゴルフ規則9.4(抜粋)プレーヤーが拾い上げた、または動かした球
この規則はプレーヤー(そのプレーヤーのキャディを含む)が止まっている自分の球を拾い上げたり、プレーヤーまたはそのキャディの行動が自分の球を動かす原因となったことが「分かっている、または事実上確実」な場合にだけ適用する。
9.4a
拾い上げた、または動かした球をリプレースしなければならない場合
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり、その球が動く原因となった場合、その球は元の箇所(分からない場合は推定しなければならない)にリプレースしなければならない。
ただし、次の場合を除く:プレーヤーが救済を受けるために規則に基づいて球を拾い上げた場合、または違う箇所にその球をリプレースするために、その球を拾い上げた場合。
プレーヤーがストロークや、そのストロークのためのバックスイングを始めた後に球が動き、そしてストロークを続けた場合。
9.4b
球を拾い上げること、故意に球に触れること、球を動かす原因となったことに対する罰
プレーヤーが止まっている自分の球を拾い上げたり、故意に触れたり、動かす原因となった場合、そのプレーヤーは1罰打を受ける。

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