前年王者マキロイが新シーズン始動 松山英樹は渡米して連戦
2022年 ザ・CJカップ
期間:10/20〜10/23 場所:コンガリーGC(サウスカロライナ州)
悔しかったZOZO 松山英樹は活躍の若手に「自信持っていいはず」とエールも
◇米国男子◇ザ・CJカップ 事前情報(18日)◇コンガリーGC (サウスカロライナ州)◇7655yd(パー71)
日本で唯一のPGAツアーを終えた多くの選手たちは翌日(17日)、次の戦いに向けて成田空港を飛び立った。関係者らが乗り込んだチャーター機は太平洋、北米大陸を横断して東海岸へ。松山英樹もその機内で束の間の休息をとっていたひとり。長距離移動を伴うタフな連戦をこなしてこそ、世界最高峰のツアープレーヤーでもある。
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期待された連覇への道は険しく、優勝争いに加われないまま千葉では40位に終わった。グリーン上でことごとく天を仰ぎ、「パットにガッカリした」4日間。「日本に帰ってしっかり練習をして、良い形で行けると(試合前は)思ったんですけど…“空想”でした」。パッティングの不振は要所でのショットミスにも伝染し、思うようにスコアを作れなかった。
アコーディア・ゴルフ習志野CCでは2019年にタイガー・ウッズに続いて2位、そして昨年優勝と他選手を圧倒した(20年はカリフォルニア州で開催)が、今年は日本勢の最上位を20歳の久常涼、22歳の中島啓太(12位)に譲った格好になった。
最近の国内男子ツアーは選手層の新陳代謝が活発。松山もそれを最近、海の向こうから想像していた。「日本ツアーのリーダーボードを見ていると、知らない選手ばかりがいるなと思っていた。僕がアマチュア、プロ1年目の時とはメンツが全然違う」。若手が主軸になりつつある流れが良い方向に向いていることをZOZOで実感。「やっと(PGAツアーでも)上位に行ける人が出てきたんだなというのはありますね」と後輩の活躍を喜んだ。
しかも、「今年のセッティングに関して言えば、僕は(上位で終えた若手は)自信を持っていいと思う」と太鼓判を押す。過去2大会とは「ラフの質が今までと全然違った」と指摘した。「(芝が)密集している感じが日本オープンにも似ていると思いながらやっていた。直接彼らのプレーを観たわけではないけれど、ティショットを曲げたときの難しさが違う。そこでしっかりフェアウェイをとらえたり、リカバリーできたりした結果には自信を持っていいんじゃないかなと」。彼らの成績に、ホームアドバンテージだけ作用したとは思わない。
「(中心)選手たちが日本ツアーでも、どう盛り上げていくかが大事だと思う」。松山は母国の若手にそうエールを送った。一方で、今もギラギラとした本音も隠さない。「上に行かれるのは腹が立つ。悔しい。僕が40代に入っていたら、『まあ、そういうときもあるよ』と思えるかもしれないけれど、まだ…。悔しいなと」。彼らの飛躍をただ祝福してばかりはいられない。再び海の向こうで“リベンジ”の機会だってうかがっている。(サウスカロライナ州リッジランド/桂川洋一)