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2019年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

三田村昌鳳×宮本卓 ゴルフ昔ばなし

中部銀次郎とマスターズ オーガスタに日本人アマが帰ってくる/ゴルフ昔ばなし

ゴルフの祭典「マスターズ」ウィークがいよいよ始まります。今年も世界中のゴルファーが夢見る舞台にトッププレーヤーたちが集結します。ゴルフライターの三田村昌鳳氏とゴルフ写真家・宮本卓氏による対談連載「ゴルフ昔ばなし」で特集中の故・中部銀次郎氏も生前、会場のオーガスタナショナルGCを訪れたことがありました。今年は東北福祉大の金谷拓実選手が日本人アマチュアとしては2012年の松山英樹選手以来の出場を果たします。

マスターズのテレビ解説をしたアマチュア

―「マスターズ」は伝説のアマチュアゴルファーとして知られるボビー・ジョーンズが、実業家だったクリフォート・ロバーツと1934年に創設した「オーガスタナショナルインビテーショントーナメント」から始まりました。トッププロが毎年名勝負を繰り返す舞台として知られるため、中部さんには“無縁”のようにも思われますが…。

宮本 “日本のボビー・ジョーンズ”ともいえる、生涯アマチュアとしてプレーした中部さんだったけれど、彼は1989年、90年にテレビ解説を任されてオーガスタに行ったんだ。アマチュアなのにね。中嶋常幸プロが解説陣に加わったのが1999年だから、それよりもずっと前のことだね。
三田村 当時、同行してオーガスタナショナルGCを一緒に歩いていると、「このホールはボビー・ジョーンズがどう思って作ったのかなあ」なんて話していた。実はオーガスタに行く前、フロリダのTPCソーグラス(ザ・プレーヤーズ選手権の会場)にも一緒に行ったんだ。1980年にオープンしたソーグラスは当時、ピート・ダイの設計で話題を呼んでいた。だが中部さんは「オーガスタの方が難しい」と言った。例えばグリーンエッジ。「ソーグラスは尖って見えて、最初から『難しいですよ』と言っている。オーガスタのエッジはなだらかで、易しく見えるんだけど本当は違ってワナがたくさんある。ボールを落とす場所で結果がまったく違うものになる」と話していた。
宮本 中部さんは「日本アマチュア選手権」で6勝するなど、国内で高い評価を受けてきたが、本人はオーガスタやソーグラスをはじめ、海外のコースも好きだった。こっちはてっきり「廣野ゴルフ倶楽部が一番好きなんだろうな」なんて思うんだけど。新しい考えを取り入れた外国のコースへの興味も尽きなかったと思う。

松山英樹から金谷拓実へ

―中部さんがプレーヤーとして活躍した昭和後期から時は流れ、「マスターズ」は門戸を広く開放しています。「アジアアマチュア選手権」を設け、優勝した松山英樹が2011年から2年連続でオーガスタに。今年はアマチュアの金谷拓実が出場します。さらに大会前週には「オーガスタナショナル女子アマチュア」という大会も新設。日本からは安田祐香が招待されました。

宮本 アジアアマという大会も、松山のような存在が出てこなければ、停滞していた可能性がある。松山は2011年にローアマチュアを獲っただけではなく、プロ転向後はPGAツアーで実績を残している。オーガスタナショナルGCにとっても、あの試合はひとつの“賭け”だったんだと思う。ひとつ成功例を作ったことで、時代の流れとともにジュニア向けの「ドライブ、チップ&パット」(本戦前週の日曜日に行われるジュニアイベント)や、以前は女性メンバーがいなかったクラブで、女子アマの試合を開くようにもなった。だから、金谷にかかる期待は決して日本から向けられるものだけじゃないんだ。
三田村 マスターズ委員会はトップの変更とともに、多くの変化を生んできた。コマーシャリズムの色が強くなっても、一方で競技ゴルフの“芯”を追求し続けることも必要だ。俳人・松尾芭蕉は「不易流行」と唱えた。物事を突き詰めるときに、基本的な歴史を踏襲することも大事。一方で時代によって変化を求めなければならない、ということ。それがうまいのがマスターズかな。
宮本 2017年にチェアマンに就任したフレッド・リドリーは1975年に「全米アマチュア選手権」で優勝したアマチュアの元競技ゴルファー。また、ビジネスマンとしても知られた前任のビリー・ペインとはまた違った色が出るだろうね。タイガー・ウッズに憧れた世代が台頭し、ゴルフがグローバルになった一方で、競技人口の減少に歯止めがかからない現状をすごく恐れている。すそ野を広げるための施策がまた見られるかもしれない。

日本のナショナルチームは変わったか

―金谷選手は東北福祉大の新3年生。2017年に「日本オープン」で池田勇太選手と優勝争いを繰り広げるなど、実力の高さは多く知るところです。

三田村 彼は高校卒業前に日本ツアーの予選会を通過できず、「自分はゴルフを変えなくてはいけない」と思ったそうだ。本人の努力とともに、成長をうながしたのは日本ゴルフ協会(JGA)のナショナルチームのコーチ、ガース・ジョーンズ氏との出会いがあったように思う。金谷選手は1W、ショットを重視して力をつけてきたそうだが、コーチは「ショートゲームが65%」と説いて、指導したという。彼はしばらく納得ができなかったそうだが、いい見本になったのが畑岡奈紗選手。2人は同学年の20歳で、畑岡選手は“超優等生”。コーチの教えを守っていたら、大ブレークした。
宮本 JGAは素晴らしいコーチを呼んできた。一番は選手の自主性を重んじて、自分で考えること、やり方は決してひとつではないことを教えている。
三田村 これまで、日本でコーチと言えば、練習場でひとつひとつスイングを指導するばかりだった。しかしジョーンズ氏は選手にボールを打たせず、ただコースを歩いてマネジメントを考えたり、グリーンの傾斜をメモしたりすることを重要視しているという。アドバイスはするが「絶対にこうしなさい」とは言わないそうだ。選手と「アイアンで刻むか、ドライバーで狙いに行くか」と30分、40分も談義をすることもある。そういうコミュニケーションを取ることが後のプロ生活にも役立つんじゃないだろうか。
宮本 出場するアマチュア選手はオーガスタナショナルGCのクラブハウスの屋根裏部屋、クロウズネスト(カラスの巣)に泊まれるんだ。
三田村 素晴らしい機会だよね。ミッチ・ボーグスというかつて40歳を過ぎてから1991年に「全米アマチュア選手権」で優勝し、翌年マスターズに出場したサラリーマンゴルファーがいた。当時中学生だった彼の息子の希望で、大会期間中クロウズネストに宿泊したんだ。朝、目を覚ますと、息子が今まで一度もやったことがなかったベッドのリメークを自分からしていたそうだ。予選落ちしたが、インタビューで父は「私はそれだけで、ここに来たかいがあった」と涙を流していたよ。

2019年のメジャー第1戦「マスターズ」は11日(木)に開幕します。

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三田村昌鳳 SHOHO MITAMURA
1949年、神奈川県生まれ。70年代から世界のプロゴルフを取材し、週刊アサヒゴルフの副編集長を経て、77年にスポーツ編集プロダクション・S&Aプランニングを設立。80年には高校時代の同級生だったノンフィクション作家・山際淳司氏と文藝春秋のスポーツ総合誌「Sports Graphic Number」の創刊に携わる。95年に米スポーツライター・ホールオブフェイム、96年第1回ジョニーウォーカー・ゴルフジャーナリスト賞優秀記事賞受賞。主な著者に「タイガー・ウッズ 伝説の序章」(翻訳)、「伝説創生 タイガー・ウッズ神童の旅立ち」など。日本ゴルフ協会(JGA)のオフィシャルライターなども務める傍ら、逗子・法勝寺の住職も務めている。通称はミタさん。

宮本卓 TAKU MIYAMOTO
1957年、和歌山県生まれ。神奈川大学を経てアサヒゴルフ写真部入社。84年に独立し、フリーのゴルフカメラマンになる。87年より海外に活動の拠点を移し、メジャー大会取材だけでも100試合を数える。世界のゴルフ場の撮影にも力を入れており、2002年からPebble Beach Golf Links、2010年よりRiviera Country Club、2013年より我孫子ゴルフ倶楽部でそれぞれライセンス・フォトグラファーを務める。また、写真集に「美しきゴルフコースへの旅」「Dream of Riviera」、作家・伊集院静氏との共著で「夢のゴルフコースへ」シリーズ(小学館文庫)などがある。全米ゴルフ記者協会会員、世界ゴルフ殿堂選考委員。通称はタクさん。
「旅する写心」

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