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宮里藍の飛躍と、女王の引退/2010年米国女子ツアーレビュー

宮里藍上田桃子宮里美香が主戦場として戦うUSLPGAツアー2010年シーズンは、賞金ランク対象の24試合が行われた。

2006年からフル参戦している宮里藍は、年間最多勝となるシーズン5勝を挙げる充実した一年となった。東南アジア、タイでの開幕戦「ホンダPTT LPGAタイランド」で、鮮やかな逆転で優勝を飾った宮里藍は、2戦目の「HSBC女子チャンピオンズ」(シンガポール)でも優勝し、開幕2連勝と好調な滑り出しスタートを見せた。

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女子ゴルフ界に衝撃的なニュースが流れたのは4月20日。2008年度末でトーナメントから離れることを決めたアニカ・ソレンスタムに続き、ロレーナ・オチョアが引退を表明した。オチョアの引退試合となった5月の「トレスマリアス選手権」では、宮里藍がシーズン3勝目。シーズン前半は宮里藍が賞金ランク1位の座をキープし続けた。6月の「ショップライトLPGAクラシック」で、シーズン4勝目を挙げた宮里藍は、6月21日に日本人選手として初めて世界ランク1位の座に上がった。ツアー15試合目となる「セーフウェイクラシック」で5勝目を飾り、賞金女王とロレックス年間最優秀選手賞(プレーヤー・オブ・ザ・イヤー)を狙える位置につけていたが、シーズン終盤から徐々に順位を落としてしまい、賞金ランク6位でシーズンを終えた。

ツアー2年目の宮里美香は23試合に参戦。優勝こそなかったものの、3位が2回。前年のルーキーイヤーに残した獲得賞金28万ドル、ランク49位という数字を大きく塗り替える、60万8888ドル、17位という素晴らしいツアー2年目となった。日本では「日本女子オープン」のビッグタイトルも奪取している。

対照的に力を発揮できなかったのは上田桃子。2008年からアメリカに参戦している上田にとって、3年目は60台のスコアを記録することも勿論あったが、75以上叩いてしまうスコアも多く、なかなか上位に絡むことができなかった。賞金ランクは44位でシード権をキープしたが、獲得賞金は23万8215ドルと、過去3年で一番少ない額となった。

オチョアがシーズン前半で引退、昨年賞金女王に輝いた申智愛(韓国)は、虫垂炎でシーズン中盤を欠場するなどの影響で、2010年のLPGAツアーは、賞金ランク、世界ランク、年間最優秀賞など、いろいろなレースが毎週めまぐるしく変わる混戦模様となった。そんな中、賞金女王と平均ストローク賞(ベア トロフィー)を獲得したのはチェ・ナヨン(韓国)。チェはツアー3年目の23歳、今シーズンは2勝に加えて2位が4回、3位が2回、トップ10は合計15回。チェの平均ストロークは69.87、2位のクリスティ・カーを平均0.08の僅差で、ベアトロフィーを勝ち取った。ポイントレースとなるロレックス プレーヤー・オブ・ザ・イヤーは、「クラフトナビスコチャンピオンシップ」と「全英リコー女子オープン」を制したヤニ・ツェン(台湾)。1989年生まれのツェンは、ルーキーイヤーとなる2008年に、「全米女子プロ」のメジャータイトルを獲得しており、21歳で既に3つのメジャータイトルを保持している。

シーズン当初から期待が高かったポーラ・クリーマーが、左親指の怪我で前半戦は長期離脱。7月に名門オークモントCCで行われた「全米女子オープン」では、痛みをこらえながら粘り強くプレーをした。唯一のアンダーパー(3アンダー)で戦い抜いたクリーマーは、念願のナショナルオープンのタイトルを奪取。また、スタンフォード大学に通うミッシェル・ウィは、8月の「CN カナディアン女子オープン」で優勝。だが、ウィは17試合に参戦してトップ10が僅かに5試合と、トータルでは存在感が薄い年に終わってしまった。

2008年に全34試合だったUSLPGAツアーは、2009年シーズンに6試合減の28試合と縮小。2010年はアメリカで14試合、国外で10試合というシーズンだった。2010年1月から新しく就任したコミッショナー、マイケル・ワン氏(45歳)が、今後どのような形で、女子のゴルフツアーをアメリカ国内、そして世界に発展させていくのかに注目が集まっている。



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