“無双”翌年の未勝利でキャディは白髪が…世界1位奪還ネリー・コルダが歓喜のプールダイブ
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 最終日(26日)◇メモリアルパークGC(テキサス州)◇6811yd(パー72)
水が澄み渡った特設プールの底には、ご丁寧に「4FT(4フィート=約1.2m)」と深さまで刻まれている。2年前、水質が心配されたザ・クラブ at カールトンウッズの18番の池に飛び込んだ時と同じように、ネリー・コルダが両ひざを抱えてダイブを決めた。
「週末のヒューストンは本当に暑かったから、すごく気持ちよかった。トロフィーを掲げるなら、飛び込むつもり。伝統は守り続ける。みんなそれぞれ意見はあると思うけど、断ち切ったら永遠に消えてしまうの」。前回よりためらいなく見えたのは、水質の問題ではなかった様子。コース変更に伴う急ごしらえのプールでシュールなジャンプになろうとも、メジャー覇者の儀式にこだわる覚悟があった。
試合は、まさに影すら踏ませない圧勝だった。5打のリードを持って出た最終日も危なげなし。出だし3ホールのうち2つあるパー5できっちり伸ばす貫録のプレーで、追いかけるライバルたちの戦意を削り取っていった。早々に勝負が決まった雰囲気も漂う中で、やりにくさを感じてもいた。「手堅く戦わなければならない一方で守りに入りすぎてもいけない。私はディフェンシブなプレーを好むタイプではありません。どこまで“ネリーらしく”プレーし、どこまで守るか、その見極めが難しかった」。最後は3mほどのパーパットがカップに消える前から力強いガッツポーズを作った。
技術的な充実に加え、メンタル面の成熟は勝因として欠かせない。2年前はこの大会を含めて出場5試合連続優勝を達成するなど、シーズン7勝をマークした。“無双”とも称された最強女王が、一転して昨季は未勝利に終わった。「みんなが私の成績について話していた。『スタッツは去年(24年)より良くなっているのに、ことしはまだトロフィーがひとつもない』って。きつかったわ。コースでイライラして、考えすぎて、自分の足を引っ張っていた」。聞こえてくるネガティブな意見を「雑音」とシャットアウトし、目の前のファンの応援を素直に力に変え、自分自身のやるべきことに集中する。メンタルに関しては、24年と比べても「別人のよう」と言い切れる。
一緒にプールへ飛び込んだキャディのジェイソン・マクデード氏らチームスタッフへの感謝も忘れない。「ジェイソンの白髪が増えたのは、きっと私のために必死でサポートしてくれているから。去年は本当に厳しい1年だったけど、全てが報われた気がする」と喜びを分かち合った。
開幕戦優勝に始まり、3試合連続の2位を挟んでメジャー初戦で完勝した。世界ランキングも1位に復帰する見込み。開幕から5試合以上出場した時点で、いずれも2位以上に入ったのは2000年カリー・ウェブ(5試合/オーストラリア)と01年アニカ・ソレンスタム(6試合/スウェーデン)に続く史上3人目。伝説的なシーズンを送ってもおかしくない。(テキサス州ヒューストン/亀山泰宏)