元世界ランク1位が「自分のゴルフを考えさせられた」 アダム・スコットが驚いた9度目のジュニアレッスン会
2013年「マスターズ」チャンピオンのアダム・スコット(オーストラリア)が4日、茨城ゴルフ倶楽部でジュニア向けゴルフイベント「Future Golfers Seminar 2026 with Adam Scott」を開催した。契約を結ぶユニクロとのタッグで2015年から始まったイベントは、今回で9度目の開催。関東地区在住の中高生26人が参加し、グループレッスンやデモンストレーション、トークセッションを通じて、世界トップレベルの技術と考え方に触れた。
スコットはまず打撃練習場でジュニアたちにウォームアップのルーティンを披露。リクエストに応じてウェッジでさまざまな球を打ち分ける場面もあり、参加者は間近でその技術を体感した。その後は1番ホールへ移動し、ドライバーショットを披露。ショットに臨む際の心構えについて解説するとともに、コントロールショットも実演した。スピンが効いたボールがグリーン上でピンに寄っていくと、ジュニアたちからは感嘆の声が漏れた。
グリーンでは、パッティングで何を優先すべきかを説明した。「大事なのは『読み』で、そのあと『向き』、『ストローク』と続く」。そう前置きしたうえで、「ストロークばかりに時間をかける人は多いですが、それによって打てなくなることもある。自分はストローク練習を5年以上やっていませんが、エイムポイント(読み)の練習はいつもやっている」と自身の考え方を明かした。
トークセッションでは、ジュニアたちから次々と質問が飛び出した。その中でスコットが特に印象に残ったものとして挙げたのが、二つの質問だった。
一つ目は、「ラウンド中に上手くいかなくなったときにどう立て直すか」という問い。「試合の最中に調子が狂い始めると、焦りが焦りを呼び、どんどん悪循環に陥っていく。その瞬間に思考を整えるのは本当に難しい」と共感を示した。そのうえで、シンプルな答えを口にした。「答えは逆説的で、頑張り過ぎないこと。トライしすぎず、シンプルにプレーすることだ」
もう一つは、「人生で最も大切なものは何ですか」という質問だった。スコットは一瞬、考え込むような表情を見せた。そして短く、「健康」と答えた。「非常に大きな問いで、思わず考え込んでしまいました」。そう笑いながら話したが、46歳でも世界の最前線で戦い続けられる本質ともいえる答えだった。
イベントを終え、ジュニアたちとの対話から自身も刺激を受けたことを明かした。「ジュニアたちの質問も非常に洗練されていた。答えを考える中で、私自身も自分のゴルフについて深く考えさせられる場面がたくさんありました。これまで以上に充実した時間でした」。さらに日本のジュニアゴルファーの印象を問われると、「全体的に、日本のジュニアは非常に成熟していると感じます。ゴルフにとても真剣に取り組んでいる」と語った。
このあとスコットは、8日開幕のPGAツアー「ベイカレントクラシック Presented by レクサス」(神奈川・横浜CC)に出場予定。ジュニアたちとの交流で新たな刺激を得た46歳は、その気づきを胸に日本での戦いに臨む。(茨城県つくばみらい市/服部謙二郎)