「本当に後悔ばっかり」 4打差V逸の渋野日向子は最後まであきらめず悔し涙
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(1日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)
「どこかが入っていればとか、イーグルが入っていればとか…本当に、後悔ばっかりですね」。渋野日向子は通算3アンダー7位で全米女子オープンを終え、悔し涙を流した。
「74」のスコアは結果としては後退したが、最後まで優勝をあきらめなかった結果でもある。「今回は、もうちょっと出来るんじゃないかと思いながらの最終日だった」。その手ごたえは、2位で終えた昨年は持てなかったものだ。
首位と2打差で迎えた最終日は、「最初から最後まで、去年よりも勝ちたいと思って回っていた」。スタートの1番(パー5)はドライバーで275yd先のフェアウェイに飛ばし、残り約230ydから4日間で初めて2オンを狙った。「(グリーンに)乗りはせんし、バーディも獲れなかったけど」とグリーン右から寄せた3mのチャンスはカップを逸れたが、アグレッシブさは失わなかった。
3番も3m弱のバーディパットを外し、カップ左を抜けたボールを見て悔しそうに腿を叩く。4番でフェアウェイから1.5mに付けて最初のバーディを奪い、首位と1打差に迫ったが、「その後が続かなくて」と波に乗れない。以降はパーオンを逃がした6番、9番のパー3をショートゲームで耐えながら5ホール連続でパー。首位との差が縮まらない中で迎えた10番は、攻める気持ちが裏目に出た。
フェアウェイからの第2打が右に曲がってバンカーへ。右足だけ砂地に入れて打った3打目は、「出ちゃいましたね、(気持ちの)強さが」とグリーンをオーバーして4オン1パットのボギーとした。11番のパーは、左ラフからグリーン奥の傾斜を使って5mに付けたもの。右サイドにカップが切られた14番(パー5)では、残り約200ydの第2打を右の傾斜から4mに寄せて絶好のイーグルチャンスを作ったが、カップ左を逸れてバーディにとどまった。「やっぱりあそこで、イーグルを獲るべきだった」と、悔やまれる一打はいくつもある。
最終18番(パー5)は、グリーン手前にキャリーした第2打が傾斜で戻り左手前のラフへ。第3打はグリーン奥のラフまで再び傾斜に流され、「悔しい終わり方」とこぼす4オン2パットのボギーフィニッシュ。2バーディ、2ボギー1ダブルボギーと2つスコアを落とした。
悔し涙の締めくくりとなったが、今季初のトップ10入りをメジャーで果たした。「どこかで上位争いしないと。どこかできっかけがつかめれば、というもどかしい中だったので、それがUSオープンだったというのは、自分の中でもいい経験になると思う」。今季の最高成績は4月「シェブロン選手権」の44位。「ちょっとでも何かかみ合えば、絶対上位にいける」。そうくすぶっていた中にあり、メジャーでの優勝争いは自信になった。
7位で終えたことで、『前年トップ10』の資格により来季大会の出場権を獲得した。「ラッキー!」と声を弾ませたが、惜敗の余韻にはまだ勝てない。「ことしのシードもまだまだ取れる位置には至っていない。優勝したかったし」と表情を引き締めた。
次週は「ショップライトLPGAクラシック」(ニュージャージー州・シービュー ベイコース )に参戦する。「たぶん今週のゴルフでは、来週は予選を通れないくらいボロッボロ。切り替えつつ、良い流れに乗っていけるように」と、涙をぬぐって次に向かう。(ウィスコンシン州エリン/谷口愛純)