「勝ちたい気持ちが強い。知らんけど!」 1年前と違う渋野日向子のメジャーV争い
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 3日目(31日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)
2バーディ、2ボギーの「72」で回った3日目は、ボギーが出てもおかしくない場面がいくつもあった。「やらかしがちの3日目だけど、なんとか耐えたかな」。昨年大会と同じ、首位と2打差で迎える最終日。「去年よりは勝ちたいっていう気持ちが強い分、なんとなく冷静に出来たんですかね…知らんけど!」と茶化したが、優勝争いを控える渋野日向子の心境はその言葉通り、1年前とは少し違った。
「去年も優勝争いをしていたけど、『何でここにいるんだろう』みたいな流れだった」。単独2位で終えた昨年大会は、それまでシーズン9試合を戦って6試合で予選落ち。3日目に「66」をマークして優勝争いに飛び込んでも、手ごたえはほとんどなかった。「今年もぜんぜん結果は残せていないんですけど、ちょっとでも何かかみ合えば、絶対上位に行けるっていう…少なからず去年よりは、ちょっとだけ自信がある部分があった」。ショットの感触は、「最近で一番ひどいくらいの感覚」とベストな状態とは言い難い。それでも優勝争いに残れたのは、昨年は持てていなかった自信にある。
2位で迎えた3日目は、西郷真央、世界ランキング1位のネリー・コルダと最終組でプレー。「こんなことはないと思って、とりあえず楽しみたいと思っていたけど。やっぱり緊張感はありました」と話したが、スタートの1番から冷静なジャッジでバーディを先行させた。
フォローの風に乗せて2オンを狙う選手も多い527ydのパー5で、「リスキーなので。もうちょっとドライバーもしっかり振れて、3Wも当たる自信があるならいっても良いと思うんですけど」とはじめから3打目勝負。フェアウェイから101ydをピン奥4mにつけてバーディを奪った。
3番ではフェアウェイからグリーン奥に外したが、3打目地点に向かいながら見せる笑顔に余裕すらうかがえる。アプローチを60cmに寄せてパーを拾うと、再びパーオンを逃した6番(パー3)でも2m強のパットを沈めてパーセーブ。後半16番(パー3)では1打目を大きく左に曲げたが、強烈なつま先下がりのライからグリーン奥の傾斜を使って3mに寄せて崩れなかった。
Hinako Shibuno has game 👊
— LPGA (@LPGA) 2025年5月31日
This par keeps her within two of the leadpic.twitter.com/0CfomuILmD
首位と2打差で迎えた最終18番(パー5)は、「楽しみたい」とは思っていても、自分の置かれた立場に体が思うように動かなかった。「けっこう緊張しちゃって。ファーストパットは、リズムも『あー』みたいな感じだった」と7m弱のバーディトライは1mショート。それでもパーパットはしっかり打ちきって、通算5アンダーの3位に踏みとどまった。
同じ3位には竹田麗央と西郷真央が並ぶ。この日はラウンドの途中、日本勢がトップ3に並んだスコアボードを見て「おおーと思って、鳥肌が立ちました」という。ラウンドを終えても、そこに自分の名前をしっかり残した。あしたは竹田との2サムで、最終組のひとつ前を回る。「楽しみにしないとね!」と、1年前とは違った感覚をもって最終日に向かう。(ウィスコンシン州エリン/谷口愛純)