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2024年 LPGAドライブオン選手権
期間:01/25〜01/28 場所:ブラデントンCC(フロリダ州)

“貯金”できるが、時間超過はまず罰金 米女子ツアーのスロープレー対策

米女子ツアー「ドライブオン選手権」の初日、14番ティイングエリアに上がろうとした稲見萌寧に、競技委員が英語で話しかけた。前の組はすでに15番でティショットを終えており、完全に1ホール分、空いている。状況から見てスロープレーの警告なのは明らかだった。

本格参戦2戦目の稲見はたじろいだようだったが、同組のアリヤ・ジュタヌガン(タイ)は何食わぬ顔で「心配しなくていい。いつものこと」というようにルーキーをかばう態度を見せ、まだ13番グリーンのプレーを終えていないカルロタ・シガンダ(スペイン)を指さした。シガンダはツアーで有名なスロープレーヤー。稲見にはいい経験になったかもしれない。

米女子ツアーのスロープレー規定には独特の考えがある。計測対象の基準などの詳細は控えるが、ざっくり言えば、計測対象選手は各ショットを「30秒以内に打たなければならない」ということ(オナーはプラス10秒の猶予がある)。競技委員のスー・ウィッター氏に話を聞くと――。

「選手はショットより、グリーン上の方に時間をかける傾向があります。元々どのショットにも『一打40秒以内』の制限時間を設けていましたが、グリーンまでのショットを早くすれば、早くプレーした分の秒数を“貯留”できる方式にしました」

例えば、計測対象選手がティショットを22秒で打てば「30秒-22秒」で「8秒」を“貯金”できる。第2打を30秒で打ち、グリーンに乗せれば、最初のパットは「38秒」までOK。そして“貯金”は1ホールごとにリセットされる。

「早くプレーすれば、インセンティブ(報奨)があるんです」とウィッター氏。

では、計測対象選手が1ホールでタイムオーバーすれば、どうなるか? 各ショットの合計時間の超過が“初犯”で「1~10秒」なら罰金2000ドル。「10秒以上」なら2罰打。まず「罰金」、次に「罰打」というシステムがユニークだ。

ウィッター氏いわく「だって、プロにはお金よりストローク罰の方がダメージ大きいですから」。プレーが遅いという悪評がある米女子ツアーはいろいろ考えている。(JJ田辺カメラマン)

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