川村昌弘が13位に浮上!平塚哲二、塚田好宣は姿消す
<ゴルフトラベラー塚田好宣の旅慣れていたからこその災難>
世界各地のツアーを転戦し自ら「ゴルフトラベラー」を名乗るだけあって、塚田好宣は旅のエキスパートだ。
タイの自動車ラッシュはすさまじいばかりではなく、車間距離がほんの少しでもあれば、どんどん割り込んで来るのは当たり前。タイでの自動車の運転は神経を尖らせる。のんびりした日本の道路事情に慣れた人ではとても危なくて運転する気になれない。だから日本からの旅行客の多くは、多少料金がかさんでも現地のドライバーが運転するタクシーをチャーターすることになる。
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ところがタイを第二の故郷と言ってはばからない塚田は、レンタカーを借りて試合会場のゴルフ場であろうと、プライベートのラウンドのゴルフ場であろうと自ら運転して向かう。「ヒヤッとすることもありますけど、慣れれば大丈夫です」と塚田はそのスリリングなドライブを楽しんでいるようにさえ見える。
「ただ、バイクだけは気を付けたほうがいいですよ。ほぼ全部のバイクが保険に入っていないから、バイクのほうに過失があっても修理代を払ってもらえることはありませんからね」と塚田は、かなりディープな事情にも精通している。
昨年11月、塚田はヨーロピアンツアーのファイナルQTを受けに行った。世界を股にかけてプレーする塚田の夢をさらに前進させる旅でもあった。バルセロナの空港に降り立ったのは深夜。荷物をピックアップして、一瞬どちらに向かえばいいのか、迷った隙を突かれた。空港を稼ぎ場所にする窃盗グループの餌食になってしまったのだ。
窃盗グループは、ターゲットと見定めた人物の気を引く役、見張り役、盗む役、運ぶ役と連携プレーで“仕事”をテキパキとこなして行く。こうした被害を受ける旅行者は少なくないのだが、これが大々的な国際問題に発展しないのは、窃盗グループが、標的とした人物を殺したり、傷つけたりという暴力的な行為には決して及ばないからだと言われている。
塚田が盗まれたのは、パスポート、クレジットカード、現金が入ったバッグだった。手元に残ったのは、キャディバッグと少しの衣類と携帯電話だけ。携帯電話でバルセロナ在住の知人と連絡を取り、とりあえず最悪の窮地を脱出できたのだが、その携帯電話も、翌日、子供の引ったくりに盗られてしまったという。
「いい勉強になりました。油断していたんです。知らない土地に深夜着の便に乗るべきではありませんでした」と、旅慣れているつもりだっただけに、なおさら塚田は反省しきり。いや、今回の塚田の災難は、旅慣れているからこそ遭遇した災難だったのかもしれない。
初めての空港には昼間到着の便を利用する。そして、いくら親切そうな人でも、知らない人に話しかけられても無視する・・・等々、これから海外旅行を予定されている方へ。今年は開幕戦で、連覇を狙うベテラン選手から、シーズン突入前のご忠告である。