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<プロゴルファーの愛読書から探る日常とは>

自分の本棚を見せることは、自分の心の中まで見られるようで落ち着かない気持ちになる、と言った作家がいたが、確かに誰かの愛読書をたまたま知ったことで、同時に今までは知らなかったその人の素顔を垣間見た気分になって、その意外性にドキドキしたり、見直したりすることはある。プロゴルファーにも読書家は多いが、つい最近もある選手の愛読書を知った。

プロ10年目の武藤俊憲が、教えてくれた。脳神経外科医の林成之さんが書かれた「望みをかなえる脳」。先月6月に、左手の親指痛を訴えてから3週間、戦線を離れざるをえなかったのだが、その間にすっかり同書にハマってしまったのだという。もっとも、普段はそれほど本を読むタイプではなかったそうだ。しかし、知人に教えてもらって、すぐに自宅から歩いて3分の本屋でタイトルの一冊を購入すると、「面白くて、林先生の本は、すべて読破してしまいました」という。「普段、めったに本を読まない僕が珍しく熱心なので、妻に“どうしちゃったの”と驚かれましたが、おかげで勝つためにはどうすればいいか、分かりました」と、目を輝かせた。

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選手にそこまで自信満々に言わせてしまうというのは、果たしてどんな内容なのか。聞いているこちらも興味が湧いてしまった。「へえ、面白そう。読んでみたいな」と、食い付いた私・筆者に、「じゃあ、貸したげますよ」と、快く本を差し出してくれたのは、先々週末。しかしそのすぐ翌週は武藤にとって、大事な大会が控えていた。茨城県の大利根カントリークラブで行われた「レクサス選手権」は昨年、ツアー通算3勝目をあげており、連覇がかかったトーナメントだったのだ。

その直前に愛読書がないと、まずいのではと考えた筆者は、一度は丁重に断ったのだが、「いえいえ、僕はもう、頭の中にばっちり入ってますから。大丈夫ですよ」と、ますます人の良い笑みを深くして勧めてくれたので、言葉に甘えて貸してもらった。

それでも、出来るだけ早く返却したほうがいいという思いから、さっそくページをめくってみたら、本の間にはどうやら武藤自身が挟んだと思われる洋服の値札タッグが。同章のタイトルは「勝ち方にこだわれ」。この箇所を一番、胸に刻みたかったんだなあ、と感じられたのと同時に、栞がわりにそのへんにあったものを、無意識に挟んだふうな何気ない日常がそこには表れているような思いがして、なおのこと微笑ましい気持ちになったものだ。

残念ながら、連覇がかかった当週は予選落ちを喫してしまった武藤だが、そのうち必ずや本のタイトルを実践して、ツアー通算4勝目を勝ち取ることだろう。

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