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2024年 LIVゴルフ・マヤコバ
期間:02/02〜02/04 場所:エル・カマレオンGC(メキシコ)

LIVゴルフ選手の宿は1泊30万円!? 観戦チケット代は/最新リポート後編

◇LIVゴルフリーグ◇マヤコバ 最終日(4日)◇エル・カマレオンGC(メキシコ)◇7116yd(パー71)

サウジアラビア政府系ファンドが支援する「LIVゴルフ」の2024年シーズンが開幕した。今季からジョン・ラーム(スペイン)が加わり、ティレル・ハットン(イングランド)も移籍するなど、相変わらず話題は多い。開幕戦のメキシコから最新の情報をお届けする後編では、選手へのホスピタリティやチケット代、競技フォーマットの詳細についてリポートする。

選手たちの経費はゼロ 一泊30万の高級ホテル

基本的に選手とキャディの遠征費はLIV側が負担する。厳密に言えば、各チームに与えられる予算内で、各チームがやり繰りを行う。なにかと高額マネーが取りざたされるLIVゴルフだが、青天井というわけではない。例えば飛行機のチケットは、選手はビジネスクラス、キャディはエコノミークラスの上位席(プレミアムエコノミー等)に分かれるケースが多い。

宿泊先も選手は高級ホテル、キャディは少し安価な別のホテルといった具合。開幕戦「マヤコバ」の選手用ホテルは、メキシコの高級リゾート地ということもあり、1泊30万円近くするグレードだ。実際に宿泊した香妻陣一朗に話を聞くと、「ホテル内に川が流れていてクルーズもできる」とにわかには信じられない規模のリゾート感。ホテル内のプレーヤーズラウンジで毎晩、自由に食事をとり、お酒をのむことができる。

現地での移動は、空港から送迎車があるのでレンタカーを借りる必要はない。つまり、選手は大会期間中に経費を負担することはほぼなく、最下位(54位)で終えたとしても5万ドル(約700万円)の賞金が入る。マイナスがなく、プラスしかないトーナメントなんて、賞金を稼ぐことが生業のプロゴルファーからすれば夢のような感覚だろう。しかも賞金は米ドルで入るので、円安の現状だと、香妻などはかなりお得感があるはずだ。

試合を見るには? チケットはいくら?

観戦チケットはインターネットで購入できる。チケットには複数のグレードがあり、「マヤコバ」では496.05メキシコペソ(約4300円)から。メジャーチャンピオンが多くいる選手たちのプレーが見られるのであれば、お手頃な価格のように思える。第2戦「ラスベガス」のチケットは同じランクで53ドル(約7800円)と、トーナメントや開催時期によって価格に多少のバラつきがあるようだ。

LIVでは試合後に必ず欧米の有名なアーティストのコンサートがあり、メキシコでも土曜日に米国の音楽ユニット「ザ・チェインスモーカーズ」のライブが行われた。ゴルフ観戦のチケット代を払えばライブも楽しめるので、お得感がだいぶある。

「Club 54」という高級ラウンジに入れるプラチナチケットは1万1145ペソ(9万9000円)と割高。飲み放題と食べ放題がつき、高級ラウンジでくつろぎながら観戦できるという触れ込みではあるが、1日だけの観戦で10万円弱は高く感じられた。

ちなみにテレビ中継は、米国のテレビ局「CWネットワーク」で放送している。日本では「LIV Golf +」というアプリをダウンロードして視聴することも可能。ライブ中継を行っているYouTubeでも視聴できる。

シード権獲得は何位まで?

LIVでは年間タイトルや翌シーズンのシード権は、賞金ではなく各大会の順位に応じて付与されるポイント制で争われる。14試合が組まれた今季は、最終戦は団体戦のみを行うため、個人戦の対象になるのは13試合。1位40pt、2位30pt、3位24pt…といった具合に配分され、21~24位は最低となる1pt。24位未満にはポイントが加算されない。シーズンを終えたポイント上位者3人には特別ボーナスを付与。昨年は192ptを稼いだテーラー・ゴーチが年間王者に輝いた。

シーズン終了時の総ポイント1~24位までが、来季のシードが確定される「LOCKゾーン」に入る。25~48位まではチーム間のトレード対象となる「OPENゾーン」。49~54位は「DROPゾーン」で、その名の通りシード陥落となる。ただし、来年の出場権をかけた予選会の参加が認められる。

OPENゾーンに該当するメンバーは、所属チームのキャプテンが残したければチームに残留できるし、他のチームに移籍する可能性もある。基本的には翌年の出場権が保証されると言えるだろう。これだけメジャークラスの選手が多いと、そこに入るのも非常に狭き門に感じる。なお、優勝しても翌年のシード権は与えられない。

DROPゾーンによるシード落ちには例外もあり、23年度のチームキャプテンはシード陥落の除外となっていた。「クリークスGC」キャプテンのマルティン・カイマー(ドイツ)はそのケースに該当し、昨年のポイントランク49位ながら今季もロスターに入っている。

各試合の最終スコアが並んだ場合は、順位に応じたポイントを合計して人数で割る。例えば8位タイが3人いれば、8位の12pt、9位の11pt、10位の10ptを足した33ptを3分割し、各選手に11ptが付与される。24位が複数いる場合は、1ptを人数で割って算出。1位、2位、3位のみプレーオフで順位を決定する。

4人1組の13チームによる団体戦に関して、賞金を獲得できるのは各試合トップ3まで。1位に300万ドル(約4億4500万円)、2位に150万ドル(約2億2200万円)、3位に50万ドル(約7400万円)が与えられる。

団体戦にも年間のポイントレースがあり、1位が32pt、2位が24pt…と付与されていき、8位が最低の1pt、9位以下はポイントなし。昨年はブライソン・デシャンボー率いる「クラッシャーズGC」が年間タイトルを獲得した。ちなみに昨年の最下位は、ことし香妻が所属する「アイアンヘッズGC」。シーズンを通して、「ツーソン」で3位に入った20ptしか稼げなかった。やはり、このそうそうたるメンバーのいるフィールドでポイントを稼ぐのは容易ではない。

興行としての魅力

競技フォーマットは毎年マイナーチェンジし、選手側も柔軟に対応している。良くなかった部分は改善するなど、大会を面白く見せるために改革していく姿勢がうかがえた。開催コースについても、ファンを獲得するためにPGAツアー(米ツアー)が行われていないような場所をあえて選んでいるという話も聞いた。米国内でいえばポートランドやシカゴ、国外ではオーストラリアや香港などだ。

昨年に初めて開催したオーストラリアの「アデレード」では、1週間で10万人のギャラリーが入ったという。選手のファンサービスも良く(PGAにいたときよりフレンドリーに感じる)、試合前でもサインや写真撮影に気さくに応じていた。

2日目の試合前、練習グリーンにLIVゴルフCEOのグレッグ・ノーマン(オーストラリア)が現れ、パトリック・リードと肩を組んで何やら談笑していた。おそらく世間話だろうが、実は先を見越したLIVの改革案を真剣に相談していたのかもしれない。

実際に現場に入り、ゴルフの本場ではないメキシコで多くのギャラリーが入る盛り上がりを見ると、興行として十分、成立しているのではと思えてくる。ジョンソンやラーム、ブルックス・ケプカなど、名だたるトップ選手が集結し、彼らのプレーをそこかしこで見られる状況は、まさにメジャーの試合のようだった。日本でも開催してほしいとつい思ってしまったのは、すでにLIVの戦略にハマっているのかも…。(キンタナロー州プラヤデルカルメン/服部謙二郎)

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