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佐藤信人の視点 勝者と敗者

ボーダーレス化で拍車 若手が積むべき“経験値”の重要性

◇米国男子◇ソニーオープン in ハワイ 最終日(14日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

「ソニーオープンinハワイ」は二人の20代選手が躍動した結果を残し、幕を閉じました。一人は4日間60台を続け、日本勢最上位の18位でフィニッシュした片岡大育選手(29歳)。もう一人は、米ツアー4度目にして初の決勝ラウンドに進出した今平周吾選手(25歳)です。

片岡選手といえば、2015年に初勝利を飾ってから常に安定した成績を残し、3季連続でツアー優勝を果たしている実力者。そんな彼が昨年初めて挑んだ世界ゴルフ選手権の舞台(「WGC HSBCチャンピオンズ」)で、飛距離アップの必要性を感じたというコメントを残しました。

国内ツアーである程度「自信」をつけてきた片岡選手にとって、世界との差を身を持って感じた瞬間だったのではないでしょうか。その後スイング改造に取り組んでいたようで、ハワイで見たティショットは確かに昨季と比べ、何かをつかみかけているように感じました。

今平選手も昨季「関西オープン」で念願のツアー初優勝を飾り、いま国内で最も勢いのある若手といっても過言ではありません。そんな彼がハワイの地でつかんだものは、自信ではなく米ツアーの“壁”だった様子で、「本当に良いプレーを毎日続けないと上に行けない」と語っています。

彼らがハワイで得た感覚はそれぞれ異なりますが、共通して言えるのは“次のステップ”につながる大きな経験になったということです。世界に挑むことで、国内では分からなかった「課題」は明確となります。これは、彼らのその後の成長に大きく影響することでしょう。

私の現役当時、約20年ほど前は、国内ツアーで頂点に立つことが多くのプロの共通目標でした。国内の賞金レースでひとつでも上を目指し、最終目標は国内賞金王。その目標に向け、ライバルと切磋琢磨して上を目指すことが進むべき道だったのです。

ですが、いまや松山英樹選手を筆頭に海外メジャー制覇・メジャー出場を目標に掲げる選手が増えました。すでにマスターズの切符を手にした宮里優作選手、池田勇太選手。3月終了時点までに世界ランキング50位以内を目指す小平智選手や谷原秀人選手。米ツアーに出場権がなければ、欧州やアジアンツアーにも出場し、世界ランキングを上げる。このようにボーダーレス化したゴルフ界で、どれだけ多くの経験を積むことができるか―ー特に、「若手」と呼ばれるデビュー後、約10年間が勝負と私は考えています。

10代から20代、または30代前半で、貪欲に海外の試合に挑戦し、柔軟な発想で課題を見つける。今回の片岡選手や今平選手のように、「自信」も「課題」も明確になった経験は、彼らが今後長期的な「目標」を立てる上で重要な要素になるでしょう。

ヒーローは一日にして生まれるものではありません。失敗や挫折など苦い経験を積み重ね、それをプラスに転換し、彼らがどのように成長を続けるのか。今季もプロたちが歩む道筋をワクワクしながら見守っていきたいと思います。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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