鈴木亨がPO制してシニア最終戦V 篠崎紀夫が初の賞金王
元祖怪物は55歳 川岸良兼のツアー未勝利は国内シニアの“7不思議”?!
レギュラーツアー6勝で、その豪打から“怪物”の異名をとった川岸良兼がシニアデビューしたのは2017年4月。同年9月には娘の史果が女子ツアー初優勝を果たし、18年7月にはそれぞれの舞台で優勝争いに絡み、「親子同日Vなるか」と話題をさらったものだった。しかし、元祖怪物は19年のシニア特別協力競技で優勝はあるものの、いまだツアー優勝がない。国内シニア界ではいまや「7不思議」と言われているとか。
川岸は今季賞金ランキング40位に終わり、19年以来2度目のシード陥落。22年3月に来季出場権を懸けた最終予選会に回ることになった。今季を振り返り、「『ゴルフ嫌い』、『ゴルフをやめる』と言っていたから痛い目に遭った。今年はふてくされてやっていたので、しようがないかな」とゴルフの神様も振り向かなかった。
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11月のツアー最終戦「いわさき白露シニア」は賞金ランク42位から来季シード(30位以内)を目指して初日1打差2位と好発進。レギュラーツアー時代に使っていたという2ボールパターに替えたのが奏功した。2日目は日大ゴルフ部の同期で、所属も同じミズノの鈴木亨と最終組で回ったが、「あいつ、アプローチもパターもうまいもん。オレ、へただもん。グリーン近くまで行くし、パターもなんとかなるけど。アプローチをちゃんとできればいい線いくんだけどね」。結局、初日から「68」「72」「74」の通算2アンダー10位で終戦。優勝したのは、その鈴木だった。
「今年は気持ちが入ってなかったからバチが当たったんです。このまま終わっちゃうんじゃないかと皆に言われて、“7不思議”と言われるけど、まあいいかっ」。自虐的だが、笑ってばかりもいられない。来年、再来年にかけ大学の後輩で、日大三羽烏といわれた横尾要、宮本勝昌、片山晋呉も50歳になる。「みんな入ってきたら居場所がなくなっちゃう。入ってくる前に優勝しないといけないけど、手遅れかもしれない(苦笑)」
12月6日に55歳になった。「スイングいじって急にはうまくいかないけど、まあ地道にやっていけば、また良くなるかなと思ってやっている。来年の最終予選のころ、またゴルフが大好きになっていればいい」と笑う声が、師走のコースに染みていった。(編集部・清野邦彦)