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「BIG BOSS」から得た刺激とプライド 片山晋呉は首位に2打差で決勝へ

◇国内男子◇マイナビABCチャンピオンシップ 2日目(5日)◇ABC GC(兵庫)◇7217yd(パー72)

「世界で一番速かった」と苦笑いするABC GCの早朝のグリーン。片山晋呉は「オーガスタよりもぜんぜん速い。経験したことがないくらい」とこぼしながら、前半インをノーボギーで折り返した。過去4勝の大会で求められるのは「経験と技術」。それで後輩たちに負けるつもりはないが、「足りないのは若さだけ…」と、ふとした時に加齢にめげそうにもなる。

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48歳になって迎えた2021年も残すところあとわずか。ここ数年、齢には無理に抗おうとせず、「『このコースであればやれる』と、自分に合っているところに(照準を)絞って」プレーしている。片山で言えば、パワーゲームだけに持ち込まれない試合。今年は「中日クラウンズ」(6位)、「日本プロ」(4位)、そして今大会などが挙がる。

永久シード選手は翌年の出場権獲得に必死になることもなく、自身の賞金ランキング(44位)もきっちり把握しているわけではない。それも「自分を追い込まない。若い選手たちのなかで良くやっていると思わないといけない」と、メンタルの状態を良好に保つためだ。

4位発進から通算7アンダー7位に後退しても「ナイスカムバック」とうなずいた。後半4番(パー5)ではフェアウェイからの第2打を右のOBゾーンに突っ込みながら、ボギーで抑えた。上がり3ホールでの2バーディにつなげ、首位に2打差で週末に進める。

「自分は幸せ」と言い続けるのも、目を外の世界に向ければこそ。プロ野球日本ハムの新監督に就任した「BIG BOSS」新庄剛志氏は同学年。「最高に面白い。感化されて才能が開花する人も出てくるでしょうね。それが楽しみ、埋もれている人を発掘してくれそう」と会見の映像を見て心を躍らせた。

一方で同世代が指導者に転身する状況下で、現役選手であることに身が引き締まる。「野球選手はみんなそうなっていくなかで、ツアーでまだやれていることに誇りを持ってやろうかなと思う。ゴルフというスポーツはまだ20代と戦える。そこにいられるのは誇り」。ただ、いるだけではない。いまも後輩たちの十分な脅威でもあるはずだ。(兵庫県加東市/桂川洋一)

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